『ISISイスラム国残虐支配の真実』(双葉社)の著者で、ジャーナリストの大高美貴氏は言う。「ISは、日本に対して本来、敵視する必要はないと考えているとみられます。ただ、日本は世界有数の経済大国で、西側諸国とともに行動しているため、“日本までも敵視するほど、自分たちには勢いがある”というメッセージを送る側面が大きいと思います」

 そんな“メンツ”のために好き勝手やられては、たまったものではない。しかしながら、「10月にバングラディシュで射殺された日本人男性・星邦男さん(66)について、“ISの戦士が殺害した”と明かしています」(公安関係者) すでに“実力行使”を行っている、というのだ。のみならず、「40代のフリージャーナリストのX氏がシリアで、ISと見られる勢力に拘束されたとの情報もあります。一時、官邸筋から“もうすぐ解放される”という話も聞こえてきたんですが、今年6月以降、まったくの音信不通です」(在阪記者)――あの悲劇の再現は絶対に避けたい。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、こう言う。「ISは、自分たちのテリトリー内で異教徒を見つけると身柄を拘束します。今後も、海外にいる日本人が、なんらかの被害に遭う可能性はあるでしょう」とはいえ、日本国内にいれば安心というわけでもないようだ。「来年5月、日本で、世界各国の首脳が集まる伊勢志摩サミット(三重県)が開催されますが、その月の13日は、キリスト教徒が忌む“13日の金曜日”。パリ同時多発テロも同じ“13日の金曜日”で、“次は5月13日が危ない”が定説なんです」(前出の公安関係者)

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