セ新監督・高橋由伸VSラミレス「DeNAが優勝する」これだけの理由の画像
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「本流」として誰もが納得の就任だったGの指揮官に対し「観客動員目当てだ」と揶揄されるラミちゃんだが……?

 来季からは偉大な先輩方が務められた巨人軍の監督に就任します。これまで以上の試練や困難が待ち受けてると思います……」11月23日、ジャイアンツ・ファンフェスタ2015で行われた引退セレモニーで、高橋由伸新監督(40)は、指揮官として迎える新シーズンへの抱負を述べた。大方の予想に反し、就任の時期は少し早かったが、球界の盟主が盟主たらんとして指名した“本流”。対照的なのが、由伸監督の元チームメイトでもあるDeNAのアレックス・ラミレス新監督(41)だ。

「本社筋の観客動員目当ての人事。“ウケ狙い”と揶揄されたりしています」(スポーツ紙DeNA担当記者) ファンの間では、「明るいのはいいけど、来季も成績は望めないのか……」という声さえ聞こえる。だが、本当にそうなのか。確かに由伸監督は、秋季キャンプでの積極的な動きを見る限り、現役時代の爽やかさだけではなく、厳しさを押し出して、チーム改革に着手してくれそうな期待感を抱かせる。

「選手にとっては、つい最近までチームメイトとして戦っていた兄貴分のような存在が指揮官になったわけですから、首脳陣と選手間の風通しは今まで以上によくなるはずです。だからと言って、厳しい門限を設定したことからも分かるように“ナァナァ”ではない」(巨人軍担当記者)

 由伸監督に対するファンの期待は大きい。とはいえ、実のところ、由伸監督の前途は多難だ。巨人軍OBで野球評論家の橋本清氏が言う。「打撃では、もはや阿部慎之助に多くを期待するのは酷だし、長野久義も坂本勇人も今年のような成績ではどうしようもない。投手陣も、内海哲也、杉内俊哉にも復活してもらわなければ困るし、抑えを誰にするのかも頭の痛い問題。投打ともによほど頑張らないと、来季の巨人は厳しいシーズンになると思います」

 引退した井端弘和や、由伸の穴は誰が埋めるのかも決まってはいない。現在、フロントが必死で探す“4番を打てる新外国人”が、獲得できるのか。できたとしても、どれだけの活躍をみせてくれるかは未知数。「実のところ、巨人の補強はうまくいっていません。今季FAで獲得できたのは、出戻りの脇谷亮太のみ。口の悪い関係者からは、“今年の巨人の最大の補強はマイコラスの残留だ”と皮肉られる始末です」(スポーツ紙デスク)

 移籍交渉の際、FA移籍をアピールする脇谷が「死に物狂いで頑張ります」と訴えたのに対して、由伸監督が電話口で「当たり前だ」と喝を入れたと報じられている。自らを慕い、一緒に自主トレを行うなど仲の良かった後輩が復帰することがうれしくないはずはないのだが、あえて突き放した言い方をしたこと自体、由伸監督自身の危機感の現れだろう。

「なにしろ今季の巨人のチーム打率は、セの6球団で最低。打撃十傑に一人も入らないという惨状でした。この貧打をなんとかやりくりして2位に持っていったのは、それこそ原前監督の非情とも言える采配によるもの。新人の由伸監督が原前監督以上の非情さを見せられるとは思えません。決して来季の楽観はできません」(巨人軍担当記者)

 一方のラミレス。現役時代、「ゲッツ」や「ラミちゃんぺっ」といったパフォーマンスが目立った選手だっただけに、中畑清前監督の突然の辞任によって、突如、監督就任のお鉢が回ってきた理由も、前述の通り、指揮官としての手腕は二の次だったという見方がもっぱらだ。「DeNAが、ラミレスを監督に選んだ最大の理由は発信力の強さ。中畑前監督もそうでしたが、いわゆる“人寄せパンダ”的な役割を期待しての監督招聘というのが、DeNAフロントの基本的な考え方でしょう」(スポーツ紙デスク)

 しかし、前出の橋本氏はラミレス監督を評し、「ただの面白い人」ではない、と断言する。「彼は日本球界に長くいるし、多くのチームを経験しているだけに引き出しも多い」 実は、ラミレスの日本球界での出発点はヤクルト。つまり、野村ID野球の流れを汲んでいるのだ。橋本氏が言う。「来日したばかりのラミレスは引っ張り専門バッターで特に怖さを感じることはなかったんですが、努力を重ねて徐々に広角に打てるようになっていきました」

 ラミレスは、現役時代から独自の分析ノートを取っていて、配球を研究していたという。「自分は日本球界で生きていくんだと決意し、必死で日本野球を研究した彼の持論は、“投手よりも捕手の配球を研究すべし”というものです。技術の向上に加え、あくなき探究心で、2000本安打を打つほど日本野球にアジャストしたんです」(前出のデスク)

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