東西金杯ではじまった2015年の競馬も、気がつくともう師走。「いいか、ユタカ。今はまだ一年て、なんて長いんだろうと思ってるだろうけど、年をとるに従って一年が早く感じられるようになる。そうなったら、あっという間だぞ」デビューしたての頃、先輩たちに言われた言葉がいまさらながらに思い出されます。

 あのときは、まさか!? と思っていましたが、先輩たちの言葉にはやはり、嘘はありませんでした(笑)。国内のGⅠは、今週末、阪神競馬場で行われる「阪神ジュベナイルF」、20日の「朝日杯FS」、27日の「有馬記念」、29日、大井競馬場で行われる「東京大賞典」の4レース。海外では、2015年の掉尾(ちょうび)を飾るラスト海外in香港……イギリスのロイヤルアスコット、フランスの凱旋門賞、アメリカのブリーダーズカップ、ドバイのドバイワールドカップと並び、世界を代表するレースのひとつに数えられる香港国際競走が行われます。

 1日に、4つのGⅠレース……「香港カップ」(88年スタート芝2000メートル)、「香港ヴァーズ」(94年スタート芝2400メートル)、「香港マイル」(91年スタート芝1600メートル)、「香港スプリント」(芝1200メートル)を行うようになったのは、99年からと、それほど歴史は古くありませんが、今では、世界中に配信され、10億人を超える競馬ファンが楽しみにする一大イベントにまで成長しました。先日も触れましたが、競馬のスペシャルデーと呼ぶにふさわしい華やかなムードや、競馬を心から楽しんでいるファンの顔を見ると、やっぱり、日本にもこういう日があれば……と、つい思ってしまいます。

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