阪神コースが改修されたのが06年だから、新コースで行われる阪神JFは今年が10回目ということになる。過去9回の結果を振りかえってみると、前走1200メートルや1400メートルを使われていた馬より1600メートルや1800メートルを使われていた組のほうが強い。1400メートルにはファンタジーS組が含まれるのにそのような傾向になるということは、やはり長めの距離を経験してきたほうがよいのだろう。一方で、前走クラス別成績にはあまりこれといった傾向が見られない。キャリアが浅くても通用する可能性はあるし、重賞から来たら有利というものでもない。重要な条件があるとしたら、前走での位置取りだ。前走で先行していた馬より前走で差しに回っていた馬のほうが好成績。特に1600~1800メートルを使われてきた場合、そこで差しの競馬をしてきた馬を重視したい。

 阪神外回りは前半の流れによってまったく違う競馬になってしまう面があり、阪神JFも前半がスローだと決め手勝負の傾向が強まり、中途半端に仕掛けるより追い込みに近い競馬のほうが届きやすくなる。一方で前半が流れたら流れたで先行勢は苦しいわけで、結局のところ差しの練習は必要ということだ。今回の阪神JFに登録している馬ですでに2勝以上をあげており、前走が1600メートル以上で差して勝っていたとなると、◎アドマイヤリードか○デンコウアンジュということになる。

 ◎アドマイヤリードはファンタジーSで敗れたことが逆に、1600メートル以上でこそ良い馬という確信にもつながる。ただ、中2週で白菊賞を使い、そこから中1週で阪神JFということになるので、実際にどこまでの評価をするかについては、直前の調教などを参考にして決めたい。○デンコウアンジュはアルテミスSを人気薄で制覇。マリエンバード肌にメイショウサムソンと一見決め手に欠ける血統なのだが、実際には33秒3という速い上がりをマーク。同じ競馬ができれば阪神JFでも有望だ。新馬を勝ったばかりで出走権が得られるか分からないが、出られれば▲ジュエラーに注目したい。今回唯一の1800メートル組で、しかも4角11番手からの勝利というのは、阪神JFにぴったり。ヴィクトワールピサ産駒は使っての上積みが望めるので、1戦1勝馬でも侮れない。

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