4年連続のリーディングサイアーが確実視されるディープインパクトだが、苦戦しているのが2歳リーディングだ。11月競馬の終了時点で2位。トップに立っているのはダイワメジャーである。このままだと2010年から続けてきた首位の座も5年でストップするかもしれない。ダイワメジャー産駒の勢いが今年は特にいいからだ。すでに勝ち馬は30頭を超え、勝利数も40の大台が見えている。ディープは昨年も同じような状況から12月の2歳GⅠを連勝。見事な逆転劇で2歳リーディングに輝いたが、その差は約1億1000万円。この種牡馬争いも興味津々である。

 今週の2歳GⅠは牝馬の阪神ジュベナイルフィリーズ。登録馬をみるとディープ産駒は3頭。前哨戦のファンタジーSで上位1〜3着を占めたキャンディバローズ、メジェルダ、ブランボヌールがそのまま出走してくる。ファンタジーS組は阪神外回りコースになった06年以降、1頭が勝ち、2着馬が3頭、3着馬も2頭出しているが、今年の3頭はどうか。いずれも夏の北海道シリーズでデビューし、短距離色が強いのが気になる。ディープ産駒が得意にする阪神マイルの舞台だが、逆にマイナスに働くケースも想定されるのだ。3頭の中ではファンタジーSがインで窮屈な競馬になったブランボヌールにまだ可能性は残されているが……。ダイワメジャー産駒は今年の勢いそのままに5頭も登録してきた。クードラパン、メジャータイフーン、メジャーエンブレムの3頭は特に能力が高い。とりわけ主役に指名はメジャーエンブレムだ。

 6月の東京でデビュー勝ち。一息入れた9月の中山、アスター賞でV2。初重賞を狙った前走のアルテミスSはクビ差2着に敗れたが、レース内容は敗れてなお強しだ。スピードの違いで、3角でハナに立ち、直線入り口では後続を離す形。そこを大外から急襲したのが勝ち馬デンコウアンジュ。「直線で1頭になり見えない位置から来られた。並ぶ形なら違ったと思う」とは騎乗したルメールだ。牝馬でも490キロ台の迫力ある馬体。2週前追い切りでは美浦Wコースで5F65秒7の速い時計も出ている。09年のアパパネ以来の関東馬Vが現実になりそうだ。関西馬で不気味なのはペプチドサプル。出遅れ→後方から4着まで差して来たアルテミスSの末脚はなかなかのもの。キャリア1戦での競馬だから楽しみを残した。抽選突破なら穴で狙いたい。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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