それに加えて、党内人事も巧妙で、「仲の良い甘利明氏をTPP担当相に起用し、谷垣氏や石破氏も上手く配置して、波風が立たないようにしている。野党だけでなく、自民党内に敵がいないのは強みです」(前同)

 しかし、安倍政権を批判する勢力は党内や野党だけではない。前述した安保法案への抗議行動など、国会外でも“反安倍”の動きは若者にも広がっているように思えるのだが……。「報道で頻繁に取り上げられるので、国会デモはすごく活況なイメージはありますが、実際に一般の若い女性が関心あるかというと微妙ですね。もちろん他のデモに比べれば若い人も女性も多いと思います。でも残念ながら、政治にそこまで関心ある人は、まだ少ないと思います」(春香さん)

 実際、8月30日に行われた国会前の抗議行動には12万人が集まったと報道されたが、それはあくまで主催者発表。警察発表では3万3000人となっており、正確なところは正直、誰も分からない。もちろん政治に関心を持ち、自分の意思を表明することは大切である。ただ、安倍政権の実際の支持層はテレビには映らないところに多くいるのではないか!? 今回は、お笑い芸人のプチ鹿島さんに、安倍政権のメンバーをプロレスラーに例えてもらい、そのキャラクターを分析してもらった。

「まず菅官房長官ですが、彼はいわゆる寝業師ですね。政治家なので当然、総理の座を狙っていると思いますが、それを出さずに参謀に徹している。これはUWFインター時代に高田延彦の参謀として活躍し、“Uインターの頭脳”と呼ばれた宮戸優光だと思います。そして麻生太郎副総理は、お坊っちゃんで実力がありながら、再びトップには君臨できない点から、谷津嘉章です。麻生さんも谷津と同じく、バイプレーヤーで終わってしまうのでは」

 また、今回の第3次安倍内閣で話題になった稲田朋美政調会長については、「彼女は北尾光司でしょう。安倍首相のゴリ押しぶり、“この人がエースでいいの?”という周りの不安感は、ブーイングが多かった北尾を彷彿とさせます。それでも北尾のように逃げ出すことなく、しっかり仕事をしてほしいですね。また、総裁選で結局、手をあげずに終わった石破内閣府特命担当大臣は、まさしく藤波辰爾です。実力はあるのに政局オンチ。見ていて歯がゆく感じるところがそっくりです」

 鹿島さんは第2次安倍政権を、「理念先行で挫折した1回目の経験から、経済政策という王道アピールを忘れない」とも指摘する。なるほど、安倍政権の支持率好調は、やや安心して見ていられるという点にもあるのかもしれない。長らく交渉を続けてきたTPP対策の大綱も出し、さらなる盤石の態勢を築きつつある安倍政権。来年の7月には参院選が行われるが、現政権への評価は、どう出るのか?

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