早くも明暗クッキリ?金本阪神VS由伸巨人、番記者が語る「天国と地獄」の画像
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 球史に名を残す好打者2人がチームを率いて激突。冬の話題を独占するはずが、雲行きが怪しくなってきて……?

「個性を尊重し、若い選手の話を聞いて……なんてやっていると失敗します」 12月6日、『東京6大学野球連盟結成90周年記念祝賀会』で“公開ダメ出し”を食らったのは、来季から巨人軍の指揮を執る高橋由伸監督(40)だった。

「壇上のトークショーで、高橋監督が“意思疎通をしながら個性を出していくのが今の選手に合っているのかな”と語ったところ、隣の星野仙一楽天副会長が即座に否定。会場はウケていましたが、由伸さんは穏やかじゃないでしょう。大勢の前でのことですから……」(スポーツ紙記者)

 このように、由伸監督には鬼の顔を見せた星野副会長だが、11月29日には、「大丈夫。長くやって、いろんな監督、コーチを見ている。現役の頃から“いずれは監督をやる”と思って見ていたはずやから」とコメント。こちらは、阪神OB懇親会で金本知憲新監督(47)に向けられた言葉だった。阪神監督時代、FAの金本を「オレと一緒にやる運命なんや」と阪神入りさせた“恩人”の太鼓判は、新監督には大いに励みになったことだろう。「星野さんだけじゃない。我々の間では、金本監督の評価はうなぎ上りです。華があり、コメント力も抜群ですからね」(在阪のスポーツ紙記者)

 一方、由伸監督の記者からの評判は、いまひとつ。「いかにも由伸さんらしいんですが、もう少しコメントやパフォーマンスを意識してほしい。まあ、でも、たぶん無理ですよね……」(前出のスポーツ紙記者) 由伸監督は真面目な人柄ゆえか、非常に優等生的な発言が多いことで知られる。10月26日の監督就任会見と、11月23日のファン感謝デーでは「覚悟を持って、まい進」と、同じフレーズを使い回すまさかの事態に。「覚悟してないで引き受けちゃったから“覚悟”“覚悟”って、言い聞かせてるんじゃないの」(スポーツ紙デスク)と言われる始末だ。

 秋季キャンプ終了時に、“キャンプのMVPは?”と訊かれて、「みんな、それぞれ高い意識でやっていた。誰が、というのはないです」と回答。記者たちのズッコケる姿が目に浮かぶ。金本監督が就任会見で、「江越、横田、陽川。振れる選手に期待したい」と具体的に若手の名前を出したのとは、極めて対照的と言えるだろう。

「記者にとって、見出しになる監督や選手のコメントが取れれば天国、取れなければ地獄です」と、取材歴30年以上のベテラン記者は語るが、巨人、阪神の明暗はすでに分かれているようだ。「報道を見ていても、印象として巨人には阪神の半分程度の話題しかない。補強にしても藤川が復帰した阪神に対して、巨人はFAでの脇谷亮太の獲得くらいですからね」(民放記者)

 コーチ陣に関しても、阪神は掛布雅之2軍監督が大きな話題となり、矢野燿大、片岡篤史、平野恵一の各氏と“金本一家”と呼ぶべきフレッシュな顔ぶれが集結することになった。「阪神は金本監督と掛布2軍監督の人気が爆発。2人のグッズが飛ぶように売れています」(代理店関係者)

 スポーツライターの江尻良文氏は「金本監督就任は阪神久々のヒットであり、球団は金本に本気でチームを変えてほしいと思っている」と語り、こう続ける。「フロントの顔色ばかり伺っていた古参を辞めさせ、自分がやりやすい若手でコーチ陣を固めた。掛布2軍監督就任もフロント主導ではなく、その指導手腕を高く買った金本監督の希望で実現したものです」 このように、選手の意識改革を含め、金本監督は本気で16年シーズンのスローガン『超改革』を、存分に行おうとしているのだ。

 その阪神に対して、由伸巨人のコーチ陣には井端弘和、二岡智宏、村田善則の各氏が入閣した程度。「由伸は、監督要請があるまで、親友の井端と来年1月の自主トレをどうするか相談し、岡本を連れていくことも決めていた。それだけ要請が土壇場だったので、井端にコーチになってもらうのが精いっぱいだったんだ」(球団関係者) 前任の原政権から、村田真一、斎藤雅樹、秦真司の各氏といったスタッフが残留するなど、由伸監督が思うようなチーム運営ができるかも懸念される。

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