RIZINで曙vsボブ・サップ再び! 2003年大晦日に生まれた格闘技界の名言たち!の画像
RIZINで曙vsボブ・サップ再び! 2003年大晦日に生まれた格闘技界の名言たち!の画像

 2015年12月31日大晦日『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX2015』にて、あのボブ・サップと曙の二人が12年ぶりに闘う。格闘技ブーム真っ盛りの2003年には、地上波のテレビ中継も入り、各団体は1年でもっとも注目されるマッチメイクを出し続けてきた。スター選手同士の闘いから、有名アスリートのデビュー戦といった、テレビを意識した話題性抜群のカードが並ぶ。そんな晴れの舞台で発せられた名言、迷言の数々を一挙紹介すれば、不思議と大晦日が熱かったあの時代の記憶が蘇ってくるのだ!

「コーナーに詰めても勝負は終わらないんだと……」(曙)……2003年の『K-1 Dynamite!!』で、ボブ・サップを相手に格闘家デビューを黒星で飾った曙が試合後に発言。元力士らしいコメントだが、実際、サップを押し出しよろしく、その圧力でコーナーに押しこむ姿が何度も見られた。ネアカな性格の曙らしい、どこかユーモラスな試合後の会見だった。この日は、元師匠の東関親方も観戦。こちらは、「予想通りの展開、相撲を引退したのも膝の悪化だし、膝を攻められたら勝ち目はない。今後も格闘技をやるなら、キック系の選手とはやらないほうがいい」と、極めて冷静な分析をしていた。

「負けたと思ってません。この言葉に、何のうしろめたさもありません!」(中邑真輔)……2003年の『K-1 Dynamite!!』でK-1のアレクセイ・イグナショフと戦った中邑は、再三タックルを決めるもその後が続かず、3Rにイグナショフの強烈な膝蹴りを食らい、レフェリーストップ負け。中邑自身はすぐに立ち上がったため、上記のコメントで判定に強烈な不服を示した。対するイグナショフは、「ストップしなければ、もっとひどいことになったよ」と辛辣だったが、協議の結果、判定は後日、「無効試合」に。翌年5月にイグナショフと再戦した中邑は、ギロチン・チョークで雪辱を果たした。

「5日前に試合をしてくれと言われた。トレーニングをまったくしてなかった」(ロニー・セフォー)……2003年の『PRIDE男祭り』では、メインとして田村潔司 vs 桜庭和志戦の実現に動いていたが、大会5日前、田村が「桜庭とは万全の状態で戦いたい」と、自身の体調不良を理由にこれをキャンセル。ところが、田村は欠場するかと思いきや、「試合はしたい」とし、やむなく緊急で呼ばれたのが、“南の黒豹”レイ・セフォーの実弟、ロニー・セフォー(K-1ファイター)。上記の、戸惑った試合後のコメントにもあるよう、案の定、田村の完勝、セフォーの完敗で終わった。田村に振り回された感のある大会であった。

「大晦日だし、桜庭にはもうちょっと簡単な相手でもいいんじゃないかというのも……」(榊原信行)……2003年の『PRIDE男祭り』のメインでは、桜庭和志がアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラと激突。ところが桜庭はこの年の11月に、1年ぶりに復帰したばかり。直前に決定した相手も難敵のノゲイラ弟ということで、桜庭は判定負け。試合後は、「本当は出たくなかった」と本音もポロリ。大会の運営に批判の声も上がり、主催のDSE・榊原信行社長も表記のコメント。だが、続いて、「PRIDEとして打って出ると、こういう世界観をつくらざるを得ない」と、三つ巴となった2003年の大晦日興行戦争の過酷さを口にしていた。

<文・佐乃良朋/『シリーズ 逆説のプロレスvol.4』(双葉社)>

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