ワイン=ブドウ酒じゃない!? 実は意外な「ワイン」の定義の画像
ワイン=ブドウ酒じゃない!? 実は意外な「ワイン」の定義の画像

 いまや、すっかり日本人のアルコール文化に根付いたワイン。海外産だけではなく、近年は国産ワインのクオリティも高く、ますますファン層を拡大しています。食事内容に応じて赤ワインや白ワインをチョイスするというように、幅広い楽しみ方ができるのも魅力ではないでしょうか。

 ところで、この「ワイン」という言葉。ついつい「ブドウから作ったお酒」とイメージしがちですが、じつは違うということをご存じでしょうか。すなわち、ワイン=ブドウ酒というわけではないのです。

 では、「ワイン」とは何なのかというと、これは「果実を使った醸造酒」のこと。フルーツが原料であればいいわけなので、リンゴからつくった「シードル」もワインに数えられますし、世の中にはキウイやメロンから生まれたワインもあります。ただ、他のフルーツがキウイワイン、メロンワインなど、それぞれの名前を冠するのが決まりなのに対し、ブドウの場合だけはただの「ワイン」と名乗ることができます。つまり、ワインという幅広い定義のなかに、ブドウ酒(ワイン)があるということになるのですね。

 ちなみにワインの歴史は古く、一般的に6000~8000年前、チグリス・ユーフラテス河流域のメソポタミア地方や、地中海沿岸のシリアでも、ブドウをつぶして飲んでいたといわれています。東洋へは後漢時代から唐時代にかけて、シルクロードを渡り伝わったそうです。日本へ上陸したのは、室町時代から戦国時代にかけて。南蛮貿易で輸入されたワインが、一部の人々に愛飲されていたとか。明治時代には大日本山梨葡萄酒会社が設立され、日本でも本格的なワイン製造が始まります。

 ブドウには適度な酸と糖分が含まれ、皮には酵母がついていることから、つぶしておくだけで自然に発酵し、アルコールが醸造されます。こういったベースをもとに改良が重ねられ、今日のような姿にたどり着きました。

 言わずもがな、世界的な知名度は抜群で、欧州のみならず、いまでは数多くの国でワイン用のブドウが栽培、ワインがつくられています。それぞれの国の気候や風土が味にも影響し、寝かせることで深みも増します。希少価値が高く人気のワインは、芸術品のような扱いで、投資目的で保有する資産家もいるほどです。

 様々な楽しみを提供してくれるワインですが、この時期には飲む機会も多くなるはず。本当は果実由来の醸造酒という小ネタを、披露してみてはいかがでしょうか?

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