「アサカゼ」「タイキチ」「サチ」「ヨコズナ」。なんだか、颯爽として、ツキのありそうな言葉ばかりだが、じつはいずれも馬名。しかもこの4頭、きょうだいなのだ。そして、4頭とも中央競馬で勝ち名乗りをあげている。とくにヨコズナは、重賞の京都記念を勝った(昭和45年)。このヨコズナの活躍もあって、この四きょうだいは、きょうだい揃って良い馬名というと、例の一つとしてあげられることがある。

 さて、この四きょうだい、名前を漢字に直すと「朝風」「大吉」「幸」「横綱」だが、なぜ、大吉はダイキチではなくて、タイキチなのだろうか。それは、濁点をうたずとも通じるものは、うたずにいけという、昔からの通例にならったものではないかと言われている。また、そもそも、ダイキチにすると、それほど良い意味ではないという説もある。江戸時代、深川の岡場所(非合法の私娼地)で、大吉を通り越すと小凶(しょうわる=性悪)になるので、大吉は凶に近い、あまりよくないという言葉遊びがはやったのが、その説の始まりだという。中吉くらいが丁度いいとよく聞くが、中吉を英語に直したセカンドラッキーという馬(昭和42年生まれ)が、中央競馬で堂々の6勝をあげている。

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