ハライチ澤部佑に続くのは誰? 2016年「隠れ売れっ子」でブレイクする芸人の画像
ハライチ澤部佑に続くのは誰? 2016年「隠れ売れっ子」でブレイクする芸人の画像

 お正月特番が一段落し、ようやく2016年の本格始動を感じる今日この頃。昨年は、8.6秒バズーカやクマムシ、おかずクラブ、とにかく明るい安村など、多くのブレイク芸人が輩出された一年となりましたが、その一方で「タレント番組出演本数ランキング」の3位に躍り出たハライチ・澤部佑さんにも注目が集まりました。「時の人」のような派手さはないものの、「気がついたらテレビに出ている」存在で、まさにじわじわとブレイクを果たした芸人といえるでしょう。

 そして、現在のバラエティ番組を見るにつけ、こういった存在は2016年にも必ず登場すると思われます。そこでここでは、年中バラエティ番組を見続けている筆者が僭越ながらも選んだ「今年、テレビで見る機会が増えそうなタレント」をランキング形式で発表していきたいと思います!

◆第3位 ロッチ・中岡創一
 なんと言っても、昨年の『キングオブコント2015』決勝における一本目のネタが衝撃でした。試着室を開けると、グレーのアンダーウェアが丸見えの中岡さんがズボンを上げる素振りをみせながら「あっ、あぁ~」と繰り返す。本当にただそれだけなのですが、そのシンプルさゆえにインパクトは強烈。中岡さんのキャラクターを最大限に活かし、力技で押し切った勇気あるネタでした。そしてあのネタが、中岡さんの個の面白さを世間に再確認させる大きなキッカケになったように感じます。

 ここ数年は、オードリーの若林正恭さんや南海キャンディーズ・山里亮太さん、博多大吉さんといった、発言内容をそのまま文字におこしても面白い、ワードセンスが高い芸人が重宝され、バラエティ界を席巻しています。一方、中岡さんは「素材そのもの」で勝負する、彼らとは真逆の存在。ただ「素材そのもの」で圧倒的な面白さをみせる芸人さんが近年どんどん少なくなっているぶん、逆に中岡さんのような存在がまぶしく感じてしまうのです。年末年始特番でも頻繁に見かけましたし、『キングオブコント』特需はこれからもきっと続くハズ!

◆第2位 羽田圭介
 続いては、芸人ではないこの人。著作『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞。ピース・又吉直樹さんの『火花』と同時受賞だったことから、「又吉“じゃないほう”」とも揶揄されてしまった作家の羽田先生です。昨年の秋以降、バラエティ番組で見かける機会がかなり増えました。『中居正広の神センス・塩センス』(フジテレビ系)では、「結婚したくない僕が信じられないくらいモテたい」と主張するなど、徹底してヒールな物言いが非常に潔く、とても強い印象を残す存在です。

 卑屈に徹する濃いキャラクターは、テレビでも非常に使いやすい人材です。しかも、それでいて「さすが芥川賞作家!」と思わずにはいられない、数歩先まで考えられたような重みあるコメントを残せる技量まで併せ持っています。こんな“タレント”は、他にはちょっといないのではないでしょうか。今年は情報番組のコメンテーター等の仕事がさらに増えそうな予感がしますが、個人的にはぜひ深夜ラジオのパーソナリティを担当して欲しいと思っています。

◆第1位 スピードワゴン・井戸田潤
『アメトーーク』(テレビ朝日系)で特集企画が組まれるなど、昨年は相方の小沢一敬さんに再ブレイクの兆しがみられたスピードワゴン。当の井戸田さんもラグビー日本代表の五郎丸選手に似ているということでも少し話題になりましたが、2016年は井戸田さんこそが「セカオザ」を超える活躍を見せてくれる予感がします。

「セカオザ」こと相方・小沢さんは確かに非常に面白い人間性の持ち主で、愛すべきキャラクターではありますが、ひな壇芸人としてはかなりの“ポンコツ”。お笑いファンや業界内視聴率が高い『ゴッドタン』(テレビ東京系)の収録で、あまりの出来なさぶりに企画をお蔵入りさせてしまうこともあったほど。

 相方がそんな調子ではストレスを感じずにはいられないハズですが、井戸田さんはそんな相方を常に「小沢さん」と敬称を付けて呼び、たとえ番組上のツッコミレベルでも、相方の「ポンコツぶり」に怒りをぶつけたり不満をぶちまけたりすることはありません。そろそろ視聴者の毒舌ブーム疲れが見えてきた昨今のバラエティにおいては、こういった「人柄の良さ」が求められてくるように思います。もともと実力はある方ですし、長くレギュラー出演している『ノンストップ!』(フジテレビ系)で見せる、生放送のコメント力もかなりのもの。ちなみに、この番組でも「イヤミなく笑わせる」井戸田さんの意外な好感度の高さが発揮されています。

 そして、元妻・安達祐実さんの再婚も転機となったのではないでしょうか。かつては陣内智則さんとセットで「バツイチ芸人」枠での番組出演が多く見られましたが、昨年は元妻ネタからようやく解放され始めたように見受けられます。

 また、ピンネタである「ハンバーグ師匠」をゴリ押ししては、なりふり構わずスベり散らすその姿には、芸人としての泥臭さと笑いへの執念、そして深い愛を、いちお笑いファンとしては感じずにはいられません。2016年は純粋にお笑い芸人としての力量が再評価され、ますます仕事が増えることは鉄板でしょう!

 さて、この中から2016年のテレビ出演数ランキングに食い込むタレントさんはいるのでしょうか。あたたかく見守りつつ、今年も面白いバラエティ番組に出会えることを楽しみにしています。

兼業主婦レオ子ポン
元雑誌編集者で、現在はフリーライターとして活躍している一児の母。趣味はパチンコと三代目J Soul Brothers。暇とあらばテレビに張り付く根っからのインドア派で、好きな番組は『ヒルナンデス!』。

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