今週は中京と中山で2つの重賞が組まれている。レースの重要度では中京の東海Sだろう。3年前からこの時期に変更され、距離も千八ダートに短縮。GⅠフェブラリーSの前哨戦に位置付けられた。13年はいきなり勝ち馬のグレープブランデーが本番GⅠを勝利で飾っている。昨年も勝ち馬コパノリッキーが本番を制し、3着だったインカンテーションが2着。東海S組がワンツーを決めた。距離は本番より1F長いが、同じ左回りコースで、直線距離も長い。本番の東京コースに似通った舞台設定だから今後も前哨戦としての重要度は増していくだろう。

 ただし、今年は主力級の参戦がない。2番手グループの戦いといった趣。しかし、馬券的には、却って面白みが加わったか。そこで狙ってみたいのが、マイネルバイカだ。昨年3月に白井師の引退で西村厩舎に転厩。オープン特別3着のあと、休養させたのが好結果を引き出した。

 10月の金沢、地方交流重賞の白山大賞典を好位から抜け出して快勝。続く阪神のオープン特別も楽に逃げ切った。今年で7歳になるが、衰えとは無縁の充実ぶりだ。東海Sは前2年も出走していて一昨年が3着、昨年も4着と善戦。もともと左回りが向くタイプでもあり、メンバーが下がった今年は連対圏の突入も無理筋ではない。昨年末から坂路で丹念に乗り込まれ、最終追い切りは今回もCWコースの4F追いか。短めをしっかり追う“スピード調教”も今のマイネルバイカの充実につながっている。

 馬券相手には好位からひと脚が使えるアスカノロマンを狙いたい。3歳時に初対戦の古馬に完勝したのが中京コース。左回りは地方交流のダイオライト記念で3着好走もある。インカンテーションが休み明けで、ローマンレジェンドにかつての勢いがない。◎マイネルバイカとの2頭軸で3連単、3連複は好配当も期待できそうだ。

 中山のAJCCは関東馬が優勢ムードだ。実力馬のショウナンマイティもブランクが長く、まだ本来の動きではない。出走してきても期待は次走以降になる。可能性を求めるならサトノラーゼンだろう。昨年のダービー2着馬で、期待された昨秋はセントライト記念7着、菊花賞5着に終わった。もっとも目標にされた菊花賞は距離が長かったが陣営の見解で今年は2000メートル前後が主要舞台になる。疲れを取りきっての年明けからの参戦。良化ムードが漂う中間の動きに期待感が増す。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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