今週は京都と、開催が替わる東京で重賞が組まれている。まず京都は6Fのスプリント戦、シルクロードSだ。今年で21回目を迎えるハンデ重賞だが、6年前からレース傾向がガラリと変化していることを最初に指摘しておきたい。スプリント戦らしくテンから先行争いが激しく、いわゆる前傾ラップを刻んでいたのがそれまで。当然ながら逃げ馬は苦戦した。連対はおろか3着馬もゼロの惨状だ。

 ところが、近6年からは逆の流れになる。前半3Fが後半の3Fより遅い、後傾ラップか、イーブンペースが当たり前になってきたのだ。この流れだと逃げ馬がやっぱり残る。前6年で逃げた馬の成績は2、15、2、15、2、1着。実に4頭も連に絡んでいる。昨年は前半3Fが33秒9、後半が34秒0のイーブンだったが、実質ハンデ頭だった牝馬のアンバルブライベンが逃げ切った。今年も逃げ馬狙いは妙味ありだ。

 今年の逃げ候補はローレルベローチェ。4走前から芝6ハロン戦に本格参戦して1000万、準オープン、オープンと目下、特別戦を3連勝中。勝つことで自信もつくのか、馬体重は1走毎に自己最高を更新して前走の504キロはデビュー時より28キロも増えていた。馬体重どおり見た目の体もたくましい。内から筋肉が張り出して迫力ある馬体に変化している。コンビを組む中井も普段から調教にまたがり癖を把握。レースでもスピードの制御が利くようになった。前走の淀短距離Sは今回と同じ舞台だったが、前半3Fを34秒5で入り、後半は33秒3の速い上がりでまとめた。折り合っている証拠。数字以上にゲートセンスがよく、今回もハナは確定か。ハンデアップが必至で人気になるサトノルパン、ダンスディレクター、ビッグアーサーが差しタイプだから、逃げ込みやすい状況になるのも歓迎材料だ。

 近走の勢いからもう1頭、注意がいるのはネロだ。近10走が〔4・5・0・1〕で、目下オープン特別を連勝中。ここ目標に2週前の坂路で49秒7の猛時計をマークしている。以前はハナが理想だったが、近走は好位からひと脚使う戦法にチェンジ。ローレルの相手本線に指名したい。

 東京の根岸Sはタールタンを狙いたい。昨暮れのオープン特別が苦手な右回りコースを克服する勝利。それも直線は最内から鋭く抜け出した。冬場に調子を上げるタイプだが、今季のデキは相当にいい。3勝を上げる東京7Fダートはベスト。重賞でも楽しみだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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