石原裕次郎が歌う『俺は待ってるぜ』が大ヒットした昭和33年。あの当時、ラジオから流れてくる漫才で、よく、こういうやりとりがあった。

「俺は待ってるぜという歌。流行(はや)ってますなあ」

「子供まで歌ってますな」

「あれは、犬のことを歌ってるって、君、知ってたか?」

「いや、初耳や」

「じゃあ、教えてやろ。あれはな、忠犬ハチ公のことを歌ってるんやで。俺は待ってるぜ」

「そな、アホな」

 なんでこんなに覚えているかというと、これを真似した漫才を、同級生と学芸会でやったからである。今でも、クラス会をやるとしばしばこの話が出る。

 ご存知のとおり、ハチ公は主人亡きあとも渋谷駅前でその帰りを待ち続けた忠犬。じつはJRAには、レース名に“犬”がつく犬山特別というレースがあり、ここにオレハマッテルゼ(俺は待ってるぜ)の産駒が出てきたら、新理論好きは買うだろうなあと思っていたら、昨年12月12日(土)、ついに出てきた。マル地のオウノミチ(そういえばハチ公も地方の秋田出身)。そこでこの馬から、ハチ公にちなんで8番と8枠へ馬連を買ったところ、なんと1520円という馬連が当たってしまった。さすが忠犬ハチ公と言うしかないなあ。

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