創価大・田中正義投手「百年に一人の逸材」ドラフト12球団1位競合なるか!?の画像
創価大・田中正義投手「百年に一人の逸材」ドラフト12球団1位競合なるか!?の画像

「史上最多となる8球団を超える指名を集めるどころか、ドラフト制度の発足以降、初となる12球団が競合する可能性すらあります」

 スポーツ紙記者が鼻息荒く語るのは、田中正義(せいぎ)投手(創価大3年)のこと。ドラフトでは、89年の野茂英雄、92年の小池秀郎が8球団から1位指名を受けたのが最多記録となっていたが、それを超えることもありえるというのだ。「ドラフトにおいて、1位指名が競合することを嫌う球団もいます。西武は、単独指名にこだわる傾向が強いんですね。ただ、その西武ですら、田中を競合覚悟で1位指名するといわれています」(前同)

 それほどまでにスカウト陣が熱視線を送る田中とは、どんな選手なのか。「田中は、身長186センチの恵まれた体格からMAX156キロのストレートを投げる本格派右腕です。彼が注目を集めたのは2年の春。東京新大学野球の春季リーグ開幕戦に先発し、共栄大を相手に4安打11奪三振の完封劇。優勝がかかった東京国際大戦は、7回1安打0封と圧巻のピッチングでした」(スポーツ紙デスク)

 ただ所属するリーグは、高校のトップ選手が集まる東京六大学などとは異なる、いわゆる“非名門リーグ”。今年に限れば、ドラフトの目玉と注目される生田目(なばため)翼投手(流経大)がいるものの、周囲のレベルが低かったとの声もあったが……。「大学日本代表に選出された田中は、そんな声を吹き飛ばすように昨年6月、NPB選抜の壮行試合で、プロ選手を相手に7者連続三振を奪い、“プロでも即、通用する”とスカウト陣を騒然とさせました。中には、“百年に一人の逸材だ”と絶賛するスカウト関係者もいたほどです」(前同)

 その後、昨秋のリーグ戦で6試合に登板し、6勝0敗、失点0、防御率0.00。昨春から50回連続無失点の大記録を打ち立てた。この実績を見れば、スカウト陣が色めき立つのもうなずけるが、例年、マスコミを賑わす有力選手は多数いる。その彼らでもなしえなかった12球団1位指名の話が出るのは、なぜか。「プロのスカウト陣が評価しているのは、彼が高校時代に外野手だったこと。今の選手は、高校時代に肩を消耗させてしまっているケースが多いんですが、田中はその心配がない。その点も評価され、例年の有力選手以上の評価となっているんです」(球界関係者)

 日本のプロ野球界の未来を担うであろう田中に接触すべく、本誌は創価大学野球部のグラウンドへ。当日、練習後に他の部員に交じってグラウンド整備を熱心に行う彼がいた。礼儀に厳しいのか、部員は皆、見学者に挨拶をしていく。田中もしかり。さっそく、彼に話しかけた。

――注目を集めて、今年1年は大変そうですね。

「まあ、そう言われていますが、大丈夫っすよ」

――今年の目標は?

「去年は神宮大会(関東地区大学野球選手権の準決勝で上武大に敗退)に出られなかったから、今年はリベンジしたいですね」

 次の質問を投げかけようとしたところで、他の部員に呼ばれ、爽やかに立ち去った田中。周囲の喧騒をよそに、本人は淡々と日々の練習をこなしていた。彼がプロ野球のマウンドに立つ日が待ち遠しい。

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