――では、今回演じた人妻の詩織を演じるうえで、心掛けたことはありますか?

横山:やっぱり、旦那さんに対して見せる顔と、幼馴染みの圭一に対して見せる顔は違うようにしようと意識しました。現場でも圭一役の大野拓朗さんと昔の二人の関係について話し合って、キャラを作り上げていったんです。でも、大野さんって男前な方じゃないですか。だから、間近で見るのがすごく恥ずかしくて(照れ笑い)。

――乙女ですね!

横山:普段、AKB48っていう女子ばっかりの生活なので、とにかく緊張しちゃって。だから、昔“好きだった感”や“幼馴染み感”が出なかったら、どうしようって思ったくらいでした。

――二人の出逢いのシーンが雨、というのも、いかにもという感じで、とてもロマンチックでした。

横山:実はあの雨って、予期せぬ雨だったんですよ。

――え、たまたま?

横山:はい。雨が全然やめへんから、このまま傘さしてやっちゃおうってなったら、結果的に印象的なシーンになりました。

――横山さんもつい、昔の恋愛を思い出したりしちゃったんじゃないですか?

横山:それはなかったけど、私、AKB48に入るまではずっと京都で普通に暮らしていたんです。だからAKB48に入らなかったら、そのまま京都にいて、もしかしたらもう結婚しているかもしれない。そう考えると不思議な気持ちでした。

――確かに、地元で結婚していた可能性もありますね。

横山:結婚といえば、以前、秋元康先生と食事に行ったときに“横山は絶対、地元の郵便局で働いている人と結婚するんだよ”って言われたことがありました。しかも、自分でスゴく納得しちゃって(笑)。

――ハハハハハ(笑)。郵便局ってなんでですか?

横山:お堅いっていうか、ちゃんと仕事に就いている人と私は結婚する、ということらしいんです。“横山は東京に来て忙しい毎日を過ごしていて、ふらっと京都に帰ったときに、AKB48の横山由依としてではなく、普通の一人の女性として接してくれる男性に懐かしさを覚えて、それで結婚するんだよ”っても言われました。

――リアルな説得力がありますね。

横山:そうなんです。しかも、その話とこの映画が重なって、これから京都に帰りづらくなりました(笑)。

――秋元先生の言葉はいったん置いといて、横山さんの好きなタイプはどんな人ですか?

横山:やっぱり、一緒にいて余裕がある男性ですね。言い換えれば、ハプニングが起きたときに上手く対処してくれる人です。たとえば、コップを割ったら“触らないで”って言ってサッと片付けてくれるとか。逆のパターンで言うと、タクシーの運転手さんやお店の店員さんに対して気が短かったり、ちょっと当たりが強かったりする人ってどこか気持ちに余裕がない感じがして苦手なんですよ。

――なるほどね~。

横山:自分に厳しいのはいいんですけど、他人に対しむやみやたらに厳しいのが嫌なんです。

――他にはありますか?

横山:面白い人! 面白くないと絶対無理ですね(笑)。

――芸人さんみたいに?

横山:そこまでのレベルじゃなくていいんです。普通に話していて、ユーモアがあればいいんです。だから、一緒に歩いていて彼がちょっと転びかけたときに、それがなかったことにしなきゃいけないイケメンみたいなのが無理なんです。

――ハハハハハ(笑)。つまり、完璧さを装う男性が苦手なんですね。

横山:そう、そう! 私が“何、転びかけているのよ!”ってツッコミを入れられないのは嫌なんです。それと……。

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