ダンディ坂野やカンニング竹山など、数々の人気芸人を育て上げ、“関東芸人の父”とも呼ばれる、ブッチャーブラザーズのリッキー氏は、「僕らから言わせると、それだけ借金ができることが、まずすごい」と語る。「今はかつてほどじゃないとも聞きますが、芸人は銀行のローンの審査を通すのが大変なんです。何億円も借りられるということは、才能にそれだけの価値があるということ。よくいわれることだけど、“借金も財産”ってのは、そういうことなんでしょうね」

 BIG3の最後の一人、タモリ(70)は、2人のような派手な借金話はないが、今や資産が100億円超ともいわれる大富豪の彼も、昔は貧乏だった。早稲田大学時代は友人のぼろアパートでの居候生活を送っていたタモリは、大学2年で除籍されている。「原因は、友人2人と出かけた旅行代金を学費で立て替えたところ、返済してもらえず、学費が払えなかったこと。ですが、タモリは友人を責めることはせず、70歳になった今も、親しい交流を続けているといいます」(前出の芸能ライター)

 タモリは貸すのも大らかだが、借りるのも大らか。「福岡から着の身着のまま再上京し、その後、赤塚不二夫に見出され、赤塚邸に居候していたときは、当時の大卒初任給が8万円の時代に、20~30万の小遣いを渡されても、一切返そうともせず、赤塚のベンツを乗り回していたそうです。いい思いをさせてもらっても、“卑屈にならないこと”、それがタモリの“居候の流儀”です」(前同) 起きたことを前向きに受け入れて、“適当に”生きていく。お金とのつきあい方もタモリ流なのだ。BIG3の人生の岐路には借金があった。そして、そのエピソードには、深くてタメになる彼らの生きざまが詰まっている――。

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