特に気が緩んでいそうなのが、安倍首相の“お友達大臣”の面々。お友達どころか“マブダチ”と目される下村博文前文科相などは、新国立競技場の白紙撤回問題や無届の後援会問題等が噴出し、国会が蜂の巣をつついた大騒ぎになるも、のうのうと大臣の椅子に座り続けた。「第3次改造内閣ではさすがに留任とはなりませんでしたが、それでも下村氏は総裁特別補佐として、今でも官邸に自由に出入りし、党と政府のパイプ役を果たしています」(党関係者)

 これまた、安倍首相の“マブダチ”である塩崎恭久厚労相は、アベノミクスの帳尻合わせに、国民の血と涙である年金資金を株に突っ込み、現在のところ株安で7兆円スッた張本人。「スタンドプレーが目立ち、安倍政権の番人こと菅官房長官とは犬猿の仲ですが、首相の後ろ盾があるため、意に介しません」(官邸筋) 相次ぐ大臣のスキャンダル同様、安倍首相が警戒を厳にしているのが閣僚による“舌禍事件”だという。舌禍事件といえば、第2次内閣で環境大臣となった石原伸晃氏が、福島の中間貯蔵施設受け入れを巡り、「最後は金目でしょ」の大暴言を放っている。「この“金目大臣”が甘利さんの後釜ですからね。先の改造で石原派は入閣なしだったため、お情けでの後任ポストをもらったのでしょう」(前出のデスク)

 口を滑らすことならこの人の右に出る者はないとされているのが、麻生太郎財務大臣だ。最近も終末医療に触れ、「さっさと死ねるようにしてもらうとか、考えないといけない」と発言。数えきれない前科がある真の“失言大臣”である。「政権発足以来、財務大臣を歴任する麻生さんは、辞任した甘利さんを凌ぐ安倍政権のキーマン。このタイミングで失言されると、さすがに政権はもたないかもしれません」(前同) 政治評論家の浅川博忠氏がこう続ける。「党内には安倍政権に不満を持つ議員が多いため、世論の反発が強まり支持率が下がると、党内の実力者からも安倍批判が出てくるでしょう。そうなると政権の求心力は低下し、防戦一方になってしまいます。政権発足後、安部首相は一度も、その状況を味わっていませんが、甘利事件によって党内力学の潮目が変わるかもしれませんよ」 “フトコロ大臣”の辞任騒動は、安倍政権の地獄の一丁目となるのか――。

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