この時の結果は3着。周囲からは、「復帰を急ぎすぎた?」とか、「1レース限定で勝負勘が戻らなかった!?」という厳しい声が飛びましたが、僕自身はそうは思っていませんでした。それを証明するためには言葉ではなく、結果が求められます。あの時の借りを2倍、3倍にして返してやる――その舞台が、「共同通信杯」でした。

 まずまずのスタートから道中は中団でジッと我慢。直線半ばでGOサインを出すと、彼は弾けるようなスピードで馬群を抜け出し、トップスピードを保ったまま、レースレコードでゴール。その走りは、すべてをねじ伏せるような力強さにあふれていました。「馬のコンデションが良かった? いや、良かったのは僕のほう。馬もそう思っていたはずです。おっ、今日の武豊は調子が良さそうだなって」

 笑いの中にまぶした本音が、想いのすべてでした。今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、クラシック候補生、スマートオーディンです。前走、11月23日に行われたGⅢ「東京スポーツ杯2歳S」で見せつけたケタ違いの爆発力が彼の最大の武器。どうすればそれを最大限生かしてあげられるのか。腕の見せどころです。

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