ロシア諜報員“怪死”事件10年目の真犯人「プーチン関与発表」にはウラがあった!の画像
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「2006年の、リトビネンコ氏殺害の作戦は、恐らくプーチン大統領とパトルシェフ・ロシア連邦保安庁長官によって承認された」 1月21日、英国調査委員会は突如、このような報告書を公表した。

 “リトビネンコ事件”とは、プーチン政権を批判して、イギリスに亡命していたロシアの治安機関の元職員リトビネンコ氏が、06年11月にロンドンで毒殺された事件だ。「元KGB(ソ連国家保安委員会)将校と会食した直後、体調が急変したリトビネンコ氏は、そのまま病院へ収容。入院からわずか20日あまりで死亡しました。体内からは猛毒の放射性物質“ポロニウム210”が検出されたため、イギリス当局は毒殺事件と見て捜査していました」(全国紙外信部記者)

 その後、捜査当局は、リトビネンコ氏の元同僚のルゴボイ氏を容疑者と断定。ロシア側に身柄の引き渡しを求めたが、ロシア側はこれを拒否した。「06年当時、英露両国は互いに外交官を追放するなど、この一件で関係性は悪化しました。10年目の今回の報告書でも、ロシア政府は激怒しています」(前同)

 ロシア外務省のザハロワ報道官は「(今回の)イギリスの司法当局と政府による偽の調査結果は、矛盾しているだけでなく、犯罪的ですらある。ロシアとその指導者を中傷するためのものだ」と非難した。「それも一理ある」というのは、外務省関係者だ。「10年も前の事件の報告書をなぜ今、公表するのか。中東利権を巡るイギリスの思惑が背景にあると見てよいでしょう」 事実、英キャメロン首相は報告書を武器に、ロシアへの対抗措置も示唆した。また、そもそも調査結果を誤りとする見方も。「ロシア政府が殺害に関与したのであれば、ポロニウム210は使わないはずです。ポロニウム210のように国が管理している放射性物質を使えば、“ロシアが殺した”と宣言するようなものですから」(前同)

 では、誰が殺したのか。「リトビネンコ氏は、ロシア・マフィアの情報を流し、海外での犯罪捜査の手助けをしていた過去もありますから、マフィア絡みの事件に巻き込まれ、殺された可能性もあります。ロシア政府の下っ端職員が、ポロニウム210をマフィアに流していた可能性も否定できません」(同) 再び日の目を浴びたリトビネンコ事件。しかし、真相はいまだ闇の中である。

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