では次に、食事だ。「便の材料は、食べ物です。便秘がちの人は、食物繊維が足りないので、意識して野菜をたくさん食べてほしいですね。酒をたくさん飲んで、油ものばかり食べる。そんな食生活をしていると、腸内環境が悪くなるので、便秘をしていなくても、便やオナラが臭います。積極的に摂ってほしい食品のベスト1は、ヨーグルトなどの乳酸菌ですが、そればかり食べているわけにもいきません。同じ発酵食品である納豆や、ぬか漬けなども、便秘の予防にいいでしょう」(同)

 また、実はキムチもオススメだという。大久保医師の患者の中には「キムチで便秘がよくなった」という人もいるのだとか。三原則のラストは、運動。運動不足も便秘の原因の一つで、特に冬は寒いうえ、着ぶくれしているので、誰でも動きが鈍くなりがち。大久保医師は言う。「運動というと“とにかく歩けばいい”と思う人が多いんですが、小股・すり足で、ゆっくり歩くのでは、あまり効果がありません。大股で腕を振って歩くなどして、お腹の上下運動や回旋運動をしないと、腸の動きがよくなるところまではいかないのです。心臓病などの持病がなくて、積極的に運動で便秘を解消したい人は、危なくない範囲で階段の上り下りができれば理想的です」

 骨粗鬆症やギックリ腰がないという条件つきだが、座った姿勢で上体をひねる“ツイスト運動”もオススメだという。これも、骨盤が動くので、腸の機能低下の予防につながるのだ。「さらに理想的な運動は、“縄跳び”です。小さいジャンプを繰り返すことで、腹直筋や脚全体が鍛えられるし、場所もお金もかかりません」(前同)

 また三原則の他にも、日頃の生活で注意したい便秘解消のポイントがある。「睡眠不足も便秘によくありません。睡眠不足の生活は、運動不足であることが多いうえ、睡眠が足りないので腸の動きが悪くなる。“冷え”も便秘の大敵です。冬はお腹の動きが悪くなって、腹痛を訴える人が増えます。ゆっくり風呂に浸かる、家でも靴下をはく、冷たい飲み物をやめるなど、体を温めるのも良い便秘解消法の一つです。下半身を冷やすと、痔も悪化しますしね」(同) たかが便秘と侮ることなかれ。前述のように重大病につながる危険性もある。この冬は三原則を守って、快便ライフを目指そう!

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