そんな大谷と違って、これまで、あまりメジャー志向を持っているような発言をしてこなかった藤浪。前出の橋本氏は元投手の立場から、次のように心情を察する。「でも、心の中では密かにメジャーに行きたいと思っているかもしれませんよ」

 しかし、たとえ藤浪にその気があっても、大谷のようにポスティングという手段を使うのは難しいという。「阪神がポスティングを認めていないんです」(前出のスポーツ紙デスク) 現行の「9シーズンを日本で戦えば海外FA権が取得できる」という条件だと、早くても5年後のオフにならなければ、藤浪は海外FAの権利を得ることはできないのが現状なのだ。だが、前出の球界関係者が次のように話す。「海外FA権取得までの期間を縮めようという動きもプロ野球選手会から出ていますし、阪神が方針を変える可能性もありますから、それ以前の移籍も十分に考えられますよ」

 いずれにせよ、大谷を後追いする形で、藤浪がメジャー入りする可能性もありうるかもしれない。「高校を卒業する時点では、藤浪のほうが大谷よりもメジャーの評価が高かったんです。メジャーのスカウトたちの間では、『マウント・フジ』(富士山と藤浪をかけて、日本一を表したニックネーム)と呼ばれていました。体のサイズ、バランスの良さなど、どこから見ても一級品。そうしたスカウトたちの評価は、今でも、いささかも変化していません」(前出の福島氏)

 大谷がパドレスに入るとしたら、ヤンキース、レッドソックスなどの有力球団が藤浪を獲りに動く可能性は高いというのだ。「5年後になるか、6年後になるかは分かりませんが、大谷と藤浪の2人が、オールスターの先発投手として投げ合う可能性は大いにあります。日本人投手で全米オールスターの先発で投げたのは95年の野茂英雄ただ一人ですが、それ以来の快挙を2人が成し遂げるかもしれません」(前同)

 2人の活躍は、それにとどまらない。「あるいは、ワールドシリーズの舞台で、世界一をかけて2人が投げ合うということだって十分考えられる。今は、日本人投手といえば、ダルビッシュと田中将大の時代ですが、その次は大谷と藤浪の時代が来るはずです」(同) 2人のメジャー頂上対決が拝める日はそう遠くない。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2