鼻うがいの一番のポイントは、それに使う水。ぬるま湯(25~30℃)500ミリリットルに対して約4グラムの塩を入れたものが良い。冷水だったり、塩分を含まない水だったりすると、鼻がツ~ンとするのはご存じの通り。病院で指導を受けてするもよし、専用の鼻洗浄機を2000~3000円で購入してやるもよし。だが、自宅で洗面器やコップでも可能である。一方の鼻を指で塞ぎ、もう一方の鼻を洗面器やコップの“うがい水”につけて吸い込む。すると、吸い込んだ水が出て来るので吐き出す。これで一気に鼻がスーッと通るのだが、やり過ぎは禁物だ。「基本的に1日2回、埃っぽい作業場で仕事をしている人は1日3回で十分。それ以上やると、鼻粘膜の繊毛や粘膜面の機能を損なってしまうからです」(前同)

 さらに驚きの撃退法が“マスクを外して外出すべし”という、毒をもって毒を制すもの。ナグモクリニックの南雲吉則院長が提唱するのは、口呼吸だ。「花粉症シーズンが近づいたら、毎週、病院に行って、腕の皮膚に花粉のエキスを少しずつ注射する。だんだん濃くしていけば体が慣れて、アレルギー反応も起こさなくなる……という“減感作療法”というものがあります。これを簡単かつタダでできちゃうのが、マスクなしで外出して“口呼吸”で乗り切るというものです」(南雲院長)

 そうして徐々に体を慣らすというが、花粉を吸い込めば「ハックショーイ!」となりそうなもの。「コショウを鼻から入れると“ハックショーイ!”となるくせに、口から入れると“スパイシーでウマい!”となる、まさにアレ。花粉も口から入れるとアレルギー反応を起こしにくく、すんなり受け入れられるのです。これは医学的には“免疫寛容”と言います」(前同)

 やり方は簡単。口から息を吸い、鼻から吐く。クロールの息継ぎに近い形だ。事実、南雲院長も、この“口呼吸”で、ひどい花粉症を克服したという。「花粉がガンガンに舞っている季節ではなく、早めに実践するのがポイントです。まだ寒い時期に、勇気を出してノーマスクで、花粉に慣れよう!」(前同) なるほど、これならできそうだ。これからの春本番、どんな花見酒を、どんな野球観戦を楽しめるかは、あなた次第です!

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