日本テレビ放送網は、日テレ初の8K番組として『笑点』の収録を1月6日に行ったことを発表した。現行ハイビジョンの16倍という高精細な映像での『笑点』撮影に、「技術の無駄遣い」「なんで笑点で8K?」「ジジイを高精細で見てどうしろと……」などの声がネットで上がった。
「これまでスポーツなどの撮影で8K技術が使われることはありましたが、『笑点』のような小屋ものでは日本初。とはいえ、大喜利ひとつ撮るためにもレンズやモニタなどの特別なシステムを組まねばならず、相当大変だったようですね。映像のファイルサイズも莫大な量になるようで、普段の『笑点』は、収録からオンエアまで大体2週間くらいですが、今回は編集に2ヶ月の期間を要しています。それだけのチャレンジの意味があったかどうか、3月に放送されるという『笑点8Kスペシャル』は見ものですよ」(テレビ誌記者)
“8K”とは、解像度7680×4320、1秒間に60コマ以上の情報量をもつ映像フォーマット。これだけ聞いてもイメージしにくいが、要は物凄く画質のいい映像ということ。最先端の技術を使った撮影に「なんで笑点?」という意見が出るのも、もっともだ。
しかしそもそも『笑点』がスタートした1966年から、同番組と新技術の出会いは始まっていた。ほとんどが白黒放送だった時代に、『笑点』はいち早くカラー放送をスタート。ステレオ放送やデジタル放送もいち早く始めている。さらに2014年には桂歌丸(79)による落語を「笑点特別版」として4Kで収録するなど、新技術を積極的に取り入れるテストケースとなっている番組が『笑点』なのだ。
常に新しい技術に敏感で、映像へのこだわりが強い『笑点』は、司会者である桂歌丸をはじめ、林家木久扇(78)、三遊亭好楽(69)、三遊亭小遊三(68)、三遊亭圓楽(66)と、いずれも国宝級の落語家たちが出演を続ける番組である。芸能の貴重なアーカイヴとしてシワまでくっきりと残してくれるのは、ありがたい話なのかもしれない。