不眠に悩む日本人は、なんと5人に1人といわれています。ここでは快眠の伝道者「眠りの女王ヒサコ」が、眠れない人々にあらゆる快眠法を伝授。これで今夜は枕を高くして眠れるはず!
「眠れない」その原因は、もしかしたら頭の使い過ぎ? 考え過ぎ? そんな症状によく効くツボがあったんです! 女性専門「みやび鍼灸院」院長、武石佳代子さんに聞きました。
●考え過ぎて眠れない人に「百会」が効く
武石さん:「あーでもない」「こーでもない」「いやでもやっぱり……」なんて、現代人は頭で考え過ぎ。パソコンやスマホの使い過ぎということもあると思いますが、頭がカタい人はとても多いです。
ヒサコ:それが不眠原因になっているということですか?
武石さん:布団に入ってもいろいろ考えてしまって、なかなか寝つけないというのは、このタイプじゃないでしょうか。そういう人は、実際頭や首がとてもカタいのです。
ヒサコ:いい方法はありますか?
武石さん:ありますよ! 「百会(ひゃくえ)」というツボが効きます。頭のてっぺんに少し窪んだところがあるでしょう。
ヒサコ:頭蓋骨がまだ閉じていない赤ちゃんの時、触ると柔らかくてぽこぽこしていたところ。頭蓋骨の骨と骨のつなぎ目の「大泉門(だいせんもん)」と同じ場所ですよね。
武石さん:そうです、そうです。赤ちゃんのは強く押しちゃダメですが、大人になったらどうぞぐりぐりと押してほぐしてください。ヒサコ:(ぐりぐり、ぐりぐり……)ピリピリして、すごく痛いです。
武石さん:頭の使い過ぎです(苦笑)。気持ちいいなあ、と思う程度に、いつでも、どこでもやっていいですよ。
ヒサコ:ぐりぐり、ぐりぐりぐりぐり……。ああ、痛―い。でも気持ちいい。
武石さん:不眠だけでなく、目の疲れ、鼻詰まり、頭痛、耳鳴り、肩こり、血行不良、低血圧……。そう、ここはイボ痔にも効きます。内臓にも精神的なことにも効果がある、とても役割の大きいツボなんです。
ヒサコ:なぜ、そんなに効くのでしょう?
武石さん:「百会」は、体中のさまざまな経絡が交わる、陰と陽が集まる重要なツボなんです。自律神経に働いて、安定させるんですね。仕事でも人間関係でもゲームでも、脳を使い過ぎて常に緊張している人は、交感神経が優位になっていますから、副交感神経に働きかけて体をリラックスさせ、バランスを取り戻してくれるのです。
ヒサコ:ぐりぐりしてたら、さっきよりピリピリしなくなってきました。
武石さん:それはよかった……。そうしたら「百会」から指1本分、約1.5cm離れたところ、「百会」の前後左右4カ所に「四神聡(ししんそう)」というツボもあるので、そこも押してみてください。
ヒサコ:あ、ここらへんもピキッと刺激があります。
武石さん:「神」は精神、「聡」は聡明という意味。精神状態が落ち着いて、頭がスッキリしてきて眠れるようになる、快眠のツボです。
ヒサコ:どのくらいやったらいいですか?
武石さん:人によって、百会も四神聡もカタさが違うのでね。痛くなくなるまで、というと無理があるので、自分で「気持ちいいな」「少しほぐれてきたかな」というくらいでいいと思います。寝る前はもちろん、いつでもどこでもやっていいので、気がついたときにほぐしてみてください。きっと眠れるようになりますよ。
(取材・文/眠りの女王ヒサコ)
「みやび鍼灸院」http://www.miyabi-shinkyu.com/
院長・武石佳代子さん
明治国際医療大学(旧:明治鍼灸大学)卒業。鍼灸師、国際中医薬膳師。鍼灸接骨院、不妊専門の鍼灸院勤務を経て、女性専用の『みやび鍼灸院』(東京都新宿区)開業。「お灸は、妊娠や出産、育児、更年期といった女性のすべてのライフステージに生かせます。女性の不安を取り除く治療を心がけています」(武石さん)。
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