EMP(電磁パルス)爆弾とは、超強力な電磁波を発することで、人を殺傷したり、物を物理的に破壊することなく、一定の範囲の電子機器を無力化してしまう兵器のこと。北朝鮮は中国の技術協力のもと、この開発を進めてきたという。「まず、敵国の防空システムをサイバーテロで麻痺させる。この効果は一時的でしょうが、その隙にミサイルに搭載したEMP爆弾を上空で炸裂させれば、一帯のコンピュータや電子回路で動く機器は“完全に死ぬ”のです」(防衛省関係者)
高度情報化社会においては、これは致命的。もちろん経済的にも大打撃をこうむるが、この時点で防衛力もほぼゼロになってしまう。「そうなれば、あとは武力工作員や最終的には北朝鮮人民軍による阿鼻叫喚の殺戮劇が繰り広げられるのみ。当然、ミサイル攻撃にもなすすべはない。“二度にわたって廃墟にできる”というのはEMP爆弾による“先進国としての死”と、武力攻撃による滅亡。これこそ、金正恩の描いている絵図なのだと思われます」(前同)
なんとも恐るべき大暴走。だが、そのターゲットは、韓国だけではなさそうだ。「2月10日に北朝鮮への独自の制裁案を決定した日本も、もちろん、その標的です。北朝鮮側は拉致問題の調査中止を決める一方で、“さらなる対抗措置の用意がある”と言っていますからね。さしあたっては限定的なサイバーテロなどが現実的ですが、油断は禁物ですよ」(辺氏)
最も危険なのは、これから5月にかけてだ。「実は、日本にも、すでに2万人近い特殊部隊員が入っているという情報を掴んでいます。彼らの目的は、北朝鮮の党大会の直後、5月26日から行われる伊勢志摩サミットです。先進国の首脳が日本に集まるこのサミットは、金第1書記にとっても違う意味での“晴れ舞台”。このタイミングを狙って、なんらかの破壊活動が実行に移される可能性が高いでしょう」(前出の防衛省関係者) いよいよ牙をむき始めた“半島の狂犬”。その妄執が朝鮮半島、そして日本を血に染めるようなことがあってはならないのだが――。