プロ野球番記者がウラまで語る「12球団ブチマケ座談会」の画像
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 昨年の日本シリーズ最終戦から130日が過ぎ、今年も日本に野球の季節が訪れようとしている。長いペナントレースを目前にしたこの時期、選手たちの裏表を知り尽くした記者たちが結集。新聞・テレビが報じない心躍る話を、心ゆくまでブチマケてもらった――。

座談会参加者紹介
A……記者歴15年、44歳の中堅記者。
B……やる気にあふれた26歳の若手記者。
C……野球取材30年以上の大ベテラン記者。
D……年齢は非公開の凄腕女性記者。

A もう、大谷翔平には言葉もないですね。3月2日のオープン戦の巨人戦、札幌ドームで初登板して、5回無失点。この時期に自己最速タイの162キロをマークしました。とにかく見出しになるスターですよ。ますます良くなっていて、去年の15勝5敗を上回るのは確実でしょう。

B 元中日の山本昌さんが言っていたように“大谷は積んでるエンジンが違う”というのは、球界の共通認識ですね。

C その大谷なんだが“日ハムのON問題”として火種になりそうなんだ。Oは大谷、Nは中田翔。大谷は昨年12月4日、倍増の年俸2億円で契約更改したんだが……。

D その直後が、中田クンの契約更改でしたよね。4500万円アップの2億4500万円でチーム最高年俸なのに、契約後の記者会見では仏頂面だった。

C 大谷が1億円アップだったからね。プロ野球選手にとって年俸は絶対的な尺度で、チーム内で“アイツは俺より多い、少ない”は、我々が思う以上に猛烈に意識している。親分肌の中田が大谷に年俸で抜かれたら、大ごとだよ。チームがおかしくなりかねない。

A 中田は、お山の大将的な性格ですからね。大谷の力は認めてはいても、年俸額で抜かれると、やはり穏やかではないでしょう。

D 古い話だけど、実績では上だった王貞治も、年俸では長嶋茂雄を超えることはなく“年俸ON問題”と呼ばれていた。日ハムのON問題は、どうなるかね。

B その年俸で話題になったのが、ヤクルトの山田哲人。トリプルスリーを達成して、昨季の8000万円から1億4000万円アップして、今季の年俸は2億2000万円です。

D オープン戦は絶不調。でも、心配ない。去年も出だしはボロボロでしたが、終わってみればトリプルスリーでしたから。

A 同じくトリプルスリーを記録したソフトバンクの柳田悠岐は、昨年11月に手術した右肘がよくない。打撃は問題ないんですが、ボールが投げられないのでDHに回るようです。

B 柳田の代わりに、プロ3年目、20歳の上林誠知が上がってきそうだといいますから、ソフトバンクの層の厚さは尋常じゃない。李大浩とスタンリッジが抜けても、チームはまったく揺るがないですね。

D 投手陣も、攝津正、武田翔太、バンデンハーク、千賀滉大、中田賢一、メジャー帰りの和田毅らのローテ候補に、岩嵜翔、東浜巨、大隣憲司までいる。盤石すぎて、松坂大輔の出番があるのか……と思ってしまいますよね。

C ホークスで、どうしても外せない選手は松田宣浩だよ。FA宣言後に、4年16億円という、とんでもない年俸で引き留めているんだからね。

D 一度はチームを出るかどうかで悩んで、そこまで特別扱いされて残ったわけですよね。チーム内で浮いたり、本人も変に意識したりは……?

C それが、まったくないから松田は凄い。内川聖一も実績は申し分ないのに、自分が不振だと落ち込んでしまうタイプ。でも、松田は自分が打てなくても全然関係ない。ずっとムードメーカーとして騒いでいる。

A “とにかく明るい松田”です。王会長が手放さないのも分かる。工藤公康監督も「キャンプのMVPは松田」と言ってました。

D 我々、メディアにとってのキャンプMVPは、間違いなく阪神の金本知憲監督ですね。

B とにかく、経済効果は半端じゃない。関西方面は連日フィーバーです。

A グッズ売り上げもダントツの1位。昨季、最多奪三振の藤浪晋太郎も遠く及ばないですね。

D 金本さんは、ここ数年のタイガースのチーム作りに不満があったみたいで、いわゆる猛虎打線こそがタイガース、という信念があります。大和、今成亮太、俊介ではない、と(笑)。

B 横田慎太郎、陽川尚将といった選手を、掛布雅之二軍監督と二人三脚で育てようとしていますよね。とにかく、豪快な選手が欲しい。チームを変えよう、という意思がハッキリと見える気がします。

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