また、アルコールは利尿作用があるため、血液の水分量が減る。いわゆるドロドロ血液になっているのだが、この状態で走り続けると汗をかいて、さらに水分量が減る。走っている途中に血の塊(血栓)ができて、血管を詰まらせてしまう。心臓を動かす筋肉に酸素や栄養を送る血管に詰まれば心筋梗塞、脳に詰まれば脳梗塞になってしまう。

 これからランニングをしようとする人やマラソン大会に出ようと考えている方は、事前に自分の血管に詰まった部分(狭窄)がないか、調べることも大切だ。精度が高いのは血管にカテーテルを入れる検査だが、安くてお手軽なのは冠動脈CTスキャン。保険も適用されるので1万円前後で受けられ、検査も数時間だ。

 3つめのNGは基本中の基本。体調が悪いときは無理をしない、冬場なら風邪気味のときに走らない、夏場は走る時間を少なくするという対応が必要だ。特に暑い夏は、汗をだらだらかいて、アルコールを飲んだときと同じように血液がドロドロになっている。「ノルマだから」と無理に走ったら、途中で倒れて病院行きになってしまう。ランニング上級者は、マラソン大会で3時間切りを目標にしている方もいらっしゃるだろうが、タイムを狙う走りは命を縮めるもとになる。タイムや走る時間を延ばそうと頑張らない――これが“健康ランニング”の秘訣だ。

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