4選手が揃って巨人所属なのにも、人気球団ならではの理由があるという。「金を積んで大型補強を繰り返す巨人では、はっきり言って上が詰まっている状態で、若手が腐ってしまいやすい。それでいて他球団の若手より年俸は多いわけで、賭博の胴元のような反社会勢力にとっては絶好の“カモ”でしょうね」(前出のスポーツ紙デスク)

 世間知らずの若手選手が知らず知らずのうちに“黒い交際”を始めてしまい、こうした問題に巻き込まれる危険性は常にある。「昔は先輩が後輩を連れ歩いて球界や社会のイロハ、つきあってはいけない人などを教えてくれたものですが、最近の若手は上下関係が希薄で、その機会も少ないですしね。彼らはそもそも野球賭博の先に何があるのかも、ちゃんと分かっていないのかもしれません」(野球解説者の江本孟紀氏)

 “野球賭博の先”すなわち、そのバックで金を吸い上げる反社会勢力の存在を意識して、警視庁は、前回よりも厳しい態度で捜査に臨んでいるという。「暴力団事件を担当する警視庁組織犯罪対策4課が、高木や3選手、B氏らに事情聴取。現在、立件に向けて動き始めているんです」(週刊誌フリー記者)

 しかし、障害もある。笠原氏は六本木で巨人OBが経営する飲食店に足繁く通っていたことで知られ、このOBが賭博を巡る人間関係の重要なキーマンと目されているが、「彼と、同じくOBの従業員が昨秋から消息不明になっているようなんです。野球賭博ルートの全容解明には欠かせない人物なんですが……」(前同)

 また、肝心の球団の変わらない体質も不安要素だ。「ナベツネさんは04年にいわゆる“栄養費問題”が発覚した際にオーナーを辞任。しかし、その後、1年足らずで球団会長として“復帰”しています。今回も“トップ3辞任”ということで話題になりましたが、巨人の役職を辞めても読売グループのドンではあり続けるナベツネさん、同じく読売本社の会長である白石オーナー、もうすぐ定年の桃井会長がいなくなっても、実は何も変わらないんです。このパフォーマンスで終わらせないで、これから徹底的に大ナタを振るわなければ再発は免れない。今度こそ自ら正さないと、“球界の盟主”の名が泣きますよ」(前出のテレビ局記者)

「5人目、6人目」の存在も囁かれるこの問題、進展次第ではさらに球界を揺るがしかねない。“球春の嵐”が、これで収まることを祈るばかりだが――。

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