「トランプは決して日本嫌いではないし、逆に“日本は好きだ”と明言しています。ただ、たとえ好きだからといってタダで道を譲る気はない。日本とすれば、そのトランプに対して、こちらの利益を明確に主張していかなきゃいけない。アメリカとの折衝は激しくなるでしょうが、しっかり交渉できる日本に生まれ変わるためのチャンスだと思います。トランプは“黒船”のようなものですよ」

 あえば氏はトランプ氏を「商売人」とも評す。投資以上の見返りがあるか否か、そこが政策の判断基準になると予見する。「軍事力もアメリカを守ることのみに使う。たとえば日本が抱える中国との尖閣問題にしても“自分のことは自分で守れ”となるでしょうね」

 また、商売人トランプは利益が一致するなら、“敵”とも手を組む可能性が高い。「イスラム国を排除したいのはアメリカもロシアも同じ。プーチン大統領はトランプを“聡明で才能に恵まれた人物”と称し、それにトランプも、“国内外で高く尊敬されている人物から褒められるのは非常に光栄”と返しています。米ロの距離が縮まるとなると、これまでアメリカの顔色を伺いながら日ロ外交を進めていた日本は、ロシアと気兼ねなく交渉ができる。日本の政治家次第ですが、北方領土問題での大きな進展もありうるかもしれません」

 日本を第二の夜明けに導く「トランプ大統領」が誕生するか否か、結果が出るのは、11月8日のアメリカ大統領選挙一般投票日だ。

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