今週の阪神メインは大阪杯。来年度からGⅠへの昇格がJRA内で検討されているGⅡ重賞だ。実現すれば国内で23レース目のGIになる。昇格への動きは春シーズンの古馬GIがマイルと長距離のみで、中距離GIが6月の宝塚記念までなかったことにある。そのため、近年はスターホースがドバイや、香港の国際レースに遠征するケースが増えていた。そうした流れに答えたものだろう。

 今年の出走予定馬もGIなみの豪華メンバーだ。イスラボニータ、キタサンブラック、ラブリーデイの牡馬陣に、ショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルトの牝馬コンビ。実にGIホースが5頭もいる。これに中山記念2着のアンビシャス、京都記念2着のタッチングスピーチなどが加わる戦いは今後を占う意味でも興味深い一戦になる。

 馬券はキタサンブラックから入りたい。昨秋は菊花賞を制し、古馬との初対戦になった有馬記念でもコンマ1秒差の3着。期待の明け4歳馬だが、中間気配はその昨秋を上回る。初時計が2月28日の坂路と立ち上がりも早かったが、以後は坂路・コースを併用して1週2本の調教が続く。

 初コンビになる武豊が騎乗した3月16日のCW追いは7Fの長めから追われて6Fタイムは80秒8の速さ。乗り込み量も多いが、とてもレース2週前とは思えない動きの良さだ。同じ休み明けだった昨秋のセントライト記念(1着)と比べてもはるかに仕上げが進んでいる。馬体も厚みを増し、迫力ある作り。舞台も先行馬に味方する内回り2000メートル戦だから、信頼できる存在になる。

 昨シーズン、大ブレイクしたラブリーデイはどうか。フルに走った反動も心配されたが、立ち直りは早かった。レース2週前時点で坂路3本の時計を出し、併走のコース追いが2本。3月16日は追走する形から馬なりで抜け出す、さえた動きも披露した。この動きなら戦力ダウンの心配はない。新コンビ、M・デムーロでいきなり好勝負に持ち込んでいい。

 さて、同じ日曜日には中山でダービー卿CTも行われる。関東の新星、キャンベルジュニアの存在は脅威だが、関西のサトノアラジンの仕上がりも目立つ。明らかに乗り込み量が昨秋とは違い、レース2週前時点で2本の坂路追い、コース追いも2本と攻め込んでいる。今季にかける陣営の意気込みが見て取れる。馬体も緩さが薄れて、柔らか味ある動き。春のマイル路線を盛り上げる存在になりそうだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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