ダービー卿CTの過去10年(11年は震災の影響で阪神施行だったが、その年も含める)を振り返ると、特に重要な傾向と思われるものは2つ。一つは5歳馬の強さ、もう一つは一見格下に見える馬がよく走っていることだ。

 過去10年の年齢別成績でいうと、5歳馬は〔6・2・4・26〕で勝率15.8%、複勝率31.6%。回収率は単228%、複189%とプラスになっている。極端な大穴一発で上げた回収率ではなく、7、8、11番人気での勝ち馬が出て、2ケタ人気の3着馬が2頭いるなど、人気薄激走馬がたびたび出ている。

 さらに重要なのは前走クラス別の成績だ。同じく過去10年で、前走準オープン組は〔4・1・1・11〕で、サンプル数こそ少ないが、前走オープン組全体より勝率・複勝率が高く、回収率も単複ともにプラスとなっている。また、前走オープン特別組の勝率・複勝率は前走重賞組全体のそれを超えている。

 通常では考えにくいことだが、「格下組ほど成績が良い」ということになる。そこには近走の状態や着順も関係する。前走準オープン組は基本的に前走1着馬ばかり。オープン特別組と重賞組を比較すると、相対的に前者のほうが前走の平均着順は良い。つまり、「格上レースで大敗してくるより、格下レースで好走してくるほうがよい」ということなのである。

 この原稿を書いている時点では、最近の準オープン勝ち馬は六甲Sに向かう予定の馬が多いようで、ダービー卿の想定に入ってこない。そこでここでは、5歳馬であることとオープンに上がってからの歴が短いことで◎ダイワリベラルを挙げておきたい。かつては中距離を使われていた馬だが、マイルに転じて成績が好転。今回は準オープン→オープン特別を連勝した中山に戻るので、楽しみな一戦だ。

 ○にも5歳馬からマジックタイム。この馬もオープンに上がってさほど日がたっていない。中山の好走歴に欠けるが、苦手というより出ていないがゆえのもの。前走で右回りは克服している。▲にだけ、データの傾向とまったく違うところからロゴタイプを挙げておきたい。苦戦が続いている元GI馬、先行馬で持続力型というと、一昨年のカレンブラックヒルを思い出す。着差で見ればそれほどひどい競馬をしているわけではない。

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