ドバイから、うれしいニュースをお届けします! 2週前のこのコラムでお約束した通り、メイダン競馬場で行われたGⅡ「UAEダービー」で、松永幹夫厩舎のラニが日本馬として初制覇。跳ね返されても、跳ね返されても、挑戦し続けてきた日本人ホースマンの夢を、またひとつ叶えることができました。

 レースを振り返ってみましょう。スタートでつまずき、道中は最後方から。テレビの前で見ていた方は顔をしかめたかもしれませんが、そういうこともなくはないだろうなと思っていた僕にとっては想定内。手応えの良さから、頭のなかには、最後の直線で抜け出すイメージが浮かんでいました。慌てず、騒がず。徐々に前に進出。GOサインを出した後、なかなか前を抜けず、またしても、見ている人をドキドキさせてしまいましたが、僕自身は、最後はかわしてくれるものと信じていました。

 ドバイでの勝利は、アドマイヤムーンとともに挑んだ07年のデューティーフリー以来、9年ぶり。ここを勝つのが、夢のひとつだっただけに、素直にうれしく思います。そして――この優勝が、さらに大きな夢へとつながっていきます。

「ここを勝ったら次は、ケンタッキーダービーだ!」 前田幸治ノースヒルズ代表が早くから宣言していた通り、ドバイに数日間滞在した後、5月7日、アメリカ、チャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービーへ。95年にスキーキャプテンで挑んだ夢の舞台に、再び、立てることになりました。

 ――それって、どれくらいうれしいことなの? そうですね。UAEダービーに勝った瞬間、ケンタッキーダービーのことが浮かんだほどのうれしさです。

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