成人病の元凶「メタボ」は認知症の原因にもなる!?の画像
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「成人病」の要因にもなるメタボリックシンドロームは、太っている人の代名詞。今や日本はメタボ社会となり40~70歳男性の2人に1人、同年齢女性の5人に1人がメタボリックシンドロームだといわれています。

「誰だって中年になったら太るのは当たり前でしょ?」「少しくらいお腹が出てきたからって、健康であれば問題ないでしょ?」「だったら痩せなくても無理せず暮らせばどうにでもなるじゃん!」そんなふうに思っていた人たちに、この春「危険信号」が灯されました!

 2月29日に発行された医学誌『JAMA Neurology』によると、2003年から、高齢化や身体の状態が、健康にどのような悪影響を及ぼすのかを調べるための実態研究が、シンガポールに住むアジア人を対象に行われたそうです。

 55歳以上の比較的若い段階で認知障害の発症状況を調べ、6年経過してから追跡調査を行ったところ、なんと10%超の人が認知障害を発症。中でも、メタボリックシンドロームだった人が、そうでない人よりも認知症の発症数が多くなっていたというのです。

 数値にすると、軽度認知症の発症リスクは約1.46倍、中心性肥満(手足は痩せているのに腹部や内臓にだけ脂肪がつく肥満)も同様に1.41倍のリスクが認められたといいます。肥満と認知症の因果関係はまだ解明されていませんが、現段階では血糖値を下げ、エネルギー代謝を促すインスリンの効き目に関係していると仮定されています。

 太っている人の場合はインスリンが多く出されることが多く、抵抗性が起きて効きにくくなるため、脳のインスリン代謝にも悪影響を及ぼしているのではないかというのです。またメタボや肥満といった疾患が、脳内で炎症を引き起こす毒性のある物質を増やす可能性もあるといいます。こうした悪影響は中年になってから現われるため、気付いてからでは後の祭り状態に!

 つまり若いうちから肥満にならないよう努め、メタボ対策、認知症対策を行うことが大切なようです。つい余計に飲んでしまうビールを半分に、ついついおかわりしてしまうごはんを1杯だけに。まずは毎日のちょっとした「節食」で、メタボ予防を心がけましょう。

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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