では、実際、北のテロ部隊はどう動いてくるのか。「彼らが狙うとしたら、2~3人一組に分かれ、電気や通信などのインフラの主要施設への攻撃ということが多いでしょう。一説には、95年にオウム真理教が起こした地下鉄サリン事件の研究をし、都市型テロの能力を磨いているともいわれています。また、韓国では政府要人に不審な小包が届くケースが最近増えており、小包爆弾や毒ガスのような手段も使うといわれています」(前出のセキュリティ関係者)

 ISと違い、北朝鮮のテロの最大の目的は日本社会や経済にダメージを与えることなので、要人や中枢機能への攻撃もためらわずに加えてくる可能性があるという。だが、実は、これら北朝鮮とISの狙いが一致する機会があるのだ。「それは、5月の伊勢志摩サミットに合わせて開かれる、各国の大臣級の会議。実はこれが、財務は仙台市、農業は新潟市……といった具合に、ケースによって開催都市が違うんですよ」(前同)

 他には、つくば、富山、軽井沢、神戸、倉敷、広島(ここのみ4月)、高松、北九州で、それぞれ国際会議が開かれる。伊勢志摩の本会場もある中で、これだけ場所が多岐にわたれば警備要員は分散するし、地元警察を加えても、いささか頼りない。「北の狙いそうな要人級会議に、IS好みの“人の集まる地方都市”という条件も完全に満たしてしまっている。本会場が伊勢志摩に決まる過程で、他に立候補していた各都市のメンツを考えて振り分けた“日本的発想”の結果なんです。IS、北朝鮮のいずれも同時多発テロを常套手段としていますから、最悪、日本列島中で大惨事が起こる可能性も……」(前出の警察庁関係者) 春から剣呑な話だが、これが現在の世界の現実。政府には危機感を持ってテロ対策に臨んでもらいたい。

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