牡馬クラシックの一冠目はマカヒキが勝つ。弥生賞で3強決戦を制したが、この時点で勝負付けが済んだ可能性がある。最大の売りは強烈な切れ味。どの位置からでも俊敏に伸びてくる。デビュー3戦の上がり3Fは順に33秒5、32秒6、33秒6。2戦目の若駒Sはスローペースにもかかわらずレースの上がりを0秒9も上回り、前走の弥生賞では1秒5も上回った。恐るべき決め手で、なにやら父ディープインパクトの姿がダブってくる。

 問題があるとすれば多頭数競馬だが、気性面は従順で、オンとオフの切り替えができるタイプ。友道師によれば弥生賞の当日も「馬房で昼まで寝ていました」とか。このメンタル面の強さこそが最大の売りかもしれない。中間調整も文句なしだ。レース14日後に坂路初時計。4日後に坂路55秒3、その3日後にCWで15-15のあと、3月31日の2週前追い切りでは準オープンの古馬を追走して馬なりで翻弄。上がり3F37秒6-11秒4の鋭さだ。仕上げにも手間取らない優等生タイプで、当日は陣営の狙い通りの仕上げで臨めるだろう。

 相手筆頭は、まずサトノダイヤモンド。同じディープ産駒で、この馬の売りも切れ味。デビュー3戦はすべてゴールに向かって速くなる加速ラップでの差し切り。前2走はともにラストの1Fは11秒3で上がっている。折り合い面での難しさがなく、途中追い上げも可能。大人のレースができる点も魅力である。ただし、弱点があるとすれば日程面。2か月半もレースを開けたことで、いきなりマックスの切れを要求されると、どうか。追い比べでマカヒキの切れに劣る可能性が強い。

 3番手はリオンディーズ。弥生賞は前半でかかりながら一旦は完全に抜け出していた。2歳チャンプの凄みだが、しかし、頭数が増える本番はまだ折り合い面の不安は残るだろう。勝ち切るイメージが出てこない。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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