サトノダイヤモンドはここまでの3戦で圧勝。最初の2レースは極端なスローペースの競馬で、前走のきさらぎ賞はある程度平坦なラップだったが、それでも圧勝となったのは決め脚の差がものを言ったからだ。少頭数のきさらぎ賞を圧勝し、多頭数のGⅠへ……というのは昨年のルージュバックと同様だ。今回強気の位置取りでいくならチャンスは十分だが、後ろからになると、桜花賞で馬群に沈み、9着で終わった同馬のようにもなりかねない。また、きさらぎ賞というのは出世レースとは言い難い面があり、レース間隔が中途半端に開くことも、マイナス。能力は評価するが、▲ということにした。

 皐月賞へのメインルートである弥生賞は、今年はちょっと特殊な競馬だった。道中13秒台のラップを消化しつつ、最後の3Fのレースラップは12秒5-11秒3-11秒3だから、直線の手前から急加速したことになる。この展開に対し、○リオンディーズのデムーロはぐいぐい位置を取りにいき、△マカヒキのルメールは後方待機。最終的にはマカヒキがぎりぎり届いた。同馬は3戦連続、極端に上がりの速い競馬を制して勝ってきたことになる。しかし、一般的に皐月賞は道中のペースが速く、かつ平板なラップになることが多い(キャプテントゥーレが勝った年のような例外もあるが)。そのようなレース展開に同馬が対応できるかどうか未知数だし、後方で溜める競馬自体、12頭立ての前走・弥生賞より頭数が増える本番では、さばく手間が増すからだ。

 リオンディーズが前走で見せた、自分で競馬を作る、攻めた乗り方は予行演習として良かったと思う。サトノダイヤモンドやマカヒキにとって不利な競馬になるのは、速めの平均ペースになるケースだ。そういう競馬になって得をする馬は、◎ディーマジェスティではないだろうか。

 共同通信杯から皐月賞というローテーションは、同じように間隔が開くきさらぎ賞よりも成功例が多い。また、今年の同レースは道中のラップに緩んだところがなく、「皐月賞らしい皐月賞」になった場合には、前走の経験が生きるのではないかと思う。

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