「4月からの値上げ地獄」プロが教える対処法の画像
「4月からの値上げ地獄」プロが教える対処法の画像

 国民の懐に深く突き刺さって痛みを増す無為な経済政策。そんなものに負けないために、有識者推奨の対策術を大公開!

 春の訪れを喜んでばかりもいられない、今年の4月。生活に身近なものが相次いで値上げされ、今後、電気料金まで改定される予定なのだ。「円安などで2%の物価上昇率を見込んでいたアベノミクスの影響は、これまでは原油価格の下落によって上昇率が相殺されていました。ところが、原油価格がついに底打ちしてしまい、本来の物価上昇率に近づこうとしています」(経済アナリストの森永卓郎氏)

 それでも景気が回復して給与も上昇していれば問題ないが、そううまくはいかない。株価の上昇もストップし、ただ「物価が上がるだけ」なのが実情だ。実際、タバコの『メビウス』(旧マイルドセブン)は、JTが1985年に民営化されて以降、増税以外の理由で値上げされるのは初めて。庶民の味方『角瓶』(サントリー)は32年ぶりに値上げされた。そこに、自動車重量税と軽自動車税に加え、事実上の税金である年金や社会保障費も引き上げられる「取れるところからドンドン取る大増税」(経済評論家の杉村富生氏)がのしかかるのだから、庶民にとってはたまったものではない。

 この地獄の病に効く“処方箋”はないものか。有識者に取材し、有効と思われる対処法を得られたので、紹介していこう。お父サン世代がまず気になるのが、12%以上も値上げされた角瓶だろう。大手の居酒屋チェーンの店長も、「5月のメニュー改定時に『角ハイボール』を値上げせざるをえない」とこぼすように、飲んべえの非常事態だが、外食事情に詳しい記者は、「“激安”をウリにするなど値上げしづらい事情を抱える店もありますから、応援の意味も込めて、そういう店を使えば影響を最小限に抑えられるでしょう」と語る。では、家庭での晩酌派はどうすればいいのか。「値上げといっても、あくまでそれは希望小売価格の話。インターネットで安い商品を探せば、意外と安く買えるんです」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)

 試しに『角瓶』で調べてみると、なんと、値上げ前より安い価格で販売されているケースもある(4月6日時点)。ネット通販に苦手意識がある方でも、わずかな手間で晩酌がより楽しめるとなれば、いかがだろう。また、調味料や食品に関しては、「コンビニが独自に販売するプライベートブランド(PB)商品がお得。気軽に購入でき、スーパーで買うより安いことも多いですからね」(経済誌記者)

 食品や飲料品のみならず、電気料金も全国的に改定される。荻原氏が勧める処方箋は、この4月から始まった電力自由化を利用しての“乗り換え”だ。中でも、東京ガスがお得なのだという。「来年4月にはガスも自由化される関係で、東京ガスは、この1年の“時差”の間にできるだけ顧客を確保しようと、ガスと電力のセット割引を積極的にPRしています」 たとえば、東京電力から東京ガスに切り替え、ガスとのセット割にすると、年間6万6000円も浮くケースがあるという。

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