「宝塚の女帝」12年間トップに君臨した“伝説の娘役”の画像
「宝塚の女帝」12年間トップに君臨した“伝説の娘役”の画像

 4月18日、第41回菊田一夫演劇賞の授賞式が行なわれ、大賞を花總(はなふさ)まりが受賞した。個人の大賞受賞としては、史上最年少での快挙。2015年に主演した『エリザベート』での演技が高く評価された。

 菊田一夫演劇大賞を個人で受賞した宝塚OGは、浜木綿子、鳳蘭に次いで3人目。2014年には、宝塚歌劇団が「宝塚歌劇100周年の一連の舞台の成果に対して」という理由で受賞したほどの大賞を、個人かつ最年少で受賞した実力には驚くばかりだ。

 花總まりは、宝塚歌劇団の元トップ娘役。なんと12年3カ月もの間、トップに君臨し続けた。平均在任期間が3年程度のトップ娘役においてこの在任期間は歴代最長で、5人のトップスターの相手役を務めている。

 この記録と功績から、ファンからは「女帝」とも呼ばれていた。その独特の高貴な雰囲気ゆえか、「良家の超お嬢様」「億ションに住んでいる」「衣装が自前」など数々の“都市伝説”まで生まれたほど。それほどファンに愛されていた存在だ。

 2006年の退団後、しばらく舞台活動はしていなかった花總だが、2010年『ディートリッヒ-生きた 愛した 永遠に-』で舞台復帰。その後も大作ミュージカルに出演し、2015年の『エリザベート』へとつながる。

 今や大人気ミュージカルである『エリザベート』だが、日本での初演を行ったのは実は宝塚歌劇団。そして1996年の初演時に、タイトルにもなっているエリザベート役を演じたのが、花總まりなのだ。ゆえに、2015年度版『エリザベート』は、ファンにとっても待望の作品で、宝塚時代からさらに進化した舞台姿は多くの感動を呼んだ。

 今回、菊田一夫演劇大賞受賞のきっかけとなった『エリザベート』は、2016年にも再演される。今度は、東京だけでなく大阪・名古屋・福岡と全国で上演。名実ともに日本ミュージカル界の「女帝」である花總まりの、圧巻のエリザベートをぜひ見てほしい。

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