それだけ首脳陣に買われている進次郎氏だが、本人はなかなかにしたたかだ。進次郎氏に近い筋からは、こんな話も漏れ伝わる。「安倍政権は7月の選挙後、進次郎氏を副大臣か、思い切って閣僚に起用したい考えですが、進次郎氏はそれを断るはずです」

 そこには、政治の軍師である父親の姿が見え隠れしているという。「進次郎氏には、小泉元総理のアドバイスに素直に耳を傾けるところがあります。その父・純一郎氏は、原発ゼロを訴えています。したがって、原発推進派の安倍政権に入閣するとは考えにくく、次期総裁選では原発慎重派の候補を推すことになるでしょう。最も可能性があるのは石破地方創生担当相です。彼が原発ゼロに路線を転換するなら、“石破総裁”誕生のために、進次郎氏が無役となって奔走することは十分ありえます」(前同)

 むろん、石破政権誕生の立役者となった暁には、ポスト石破で政権禅譲を狙う考えだという。また、「党幹部は進次郎氏を“選挙請負人”と見なしていますが、一方で“あいつは好きな候補者の応援にしか行かない”という怒りも抱えています」(前出の記者)

 進次郎氏は若手候補の応援を優先しているという。「全国区の知名度がなく、経験の浅い候補にしてみれば、進次郎氏に応援に来てもらえれば、“百万の味方”を得た思い。これで、その候補は一生、進次郎氏に頭が上がらなくなるのです。こうやって、選挙のたびに、応援演説の行脚をすれば、彼は“進次郎派”を増やすことができるわけです。彼は無派閥ですが、派閥の領袖と言っても過言ではありませんよ。青年局長を務めた経験から、進次郎派は“青年局派”とも呼ばれ、党内で看過できない勢力を誇っています」(前同)

 党の客寄せパンダとしてフル稼働させたいのが党幹部の思惑でも、一筋縄ではいかないのが進次郎氏。「安倍総理もこれを承知のうえで、“諸刃の剣”である進次郎氏に賭けているわけです。それくらい、自民党には今、好材料がないんです」(同) 衆参W選へ執念を燃やす安倍首相は、この若き“選挙請負人”に未来を託したと言えそうだ――。

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