斎藤佑樹、菊池雄星…甲子園の歴史に名を刻む「“春のセンバツ”モンスター選手誕生の瞬間」の画像
斎藤佑樹、菊池雄星…甲子園の歴史に名を刻む「“春のセンバツ”モンスター選手誕生の瞬間」の画像

 あまたの名対決、そして名プレイヤーが生まれてきた春のセンバツ甲子園。今回は、これまでに春の甲子園を沸かせた、4人の“モンスター選手”誕生の瞬間を紹介しよう。

●斎藤佑樹(早実・2006年)夏の偉業達成前に見せた意地、タフネス右腕は春からフル回転

 06年夏、甲子園を制したハンカチ王子こと早実・斎藤佑樹(現日本ハム)。彼がセンバツに出場していたことは、あまり語り継がれていない。「それもそのはずです。その当時から好投手の1人ではありましたが、さほど注目されていませんでした。実際、目を見張る成績を収めることはできませんでした」(スポーツライター) 準々決勝で優勝した横浜に13-3で敗れた早実。数字だけ見れば大敗だったが、この一つ前の試合で、死闘を演じていた。「関西との対決は、延長15回でも決着がつかず、再試合になりました。この試合、斎藤は9回までに7失点(自責点5)を喫しますが、15回を一人で投げ抜きました。延長に入ってからは無失点。再試合でも7回を投げるなど、そのタフネスぶりを春の時点から発揮していたんです」(前同) 夏の決勝、駒大苫小牧戦でも延長15回を投げ抜いたのは、この春の経験が活きていたのだ。

 ●今村猛(清峰)VS菊池雄星(花巻東)2009年センバツ甲子園決勝は予想通り投手戦に! クールVSガッツ、勝ったのは……!?

 右と左、静と動。すべてが対照的なエースが、決勝の舞台で火花を散らした。静の清峰・今村猛(現広島)の投球スタイルは、高校生離れしていた。「ピンチになるまで力を入れないんです。ランナーが出て初めて140キロ超を投げる。非常にクレバーでした」(スポーツ紙記者) 一方、花巻東の菊池雄星(現西武)は動のエース。目いっぱいに腕を振って放る140キロ台の速球とスライダー。打ち取った後のガッツポーズが話題を呼んだ。準決勝までの自責点は今村が1、菊池が2。ともにハイレベルな投球を続けていた。「決勝も見応えのある投手戦が繰り広げられました。清峰がワンチャンスをものにし、1-0で勝利。今村は8、9回に5安打を打たれましたが、最後まで無失点に抑え“粘り腰”は健在でした」(前同) 2人の好投手が、センバツ史上に残る好ゲームの立役者となった。

●松本哲幣(敦賀気比・2015年)背番号17が躍動! 2打席連続満塁弾の“持っている男”

 プロ入りしていないが、これまでのセンバツの歴史上、最も“持っている男” が、敦賀気比の松本哲幣だ。背番号17ながらレギュラーを掴むと、初戦から躍動。そして最大の見せ場は、準決勝の大阪桐蔭戦。「初回、いきなり満塁のチャンスで打席に立つと、変化球を振り抜き本塁打。その後、2回にも満塁で打席が回ってくると、今度はレフトポール際に放り込み、2打席連続満塁本塁打と漫画みたいな大仕事をやってのけたんです」(スポーツ紙デスク) この試合だけでなく、決勝戦も同点で迎えた8回に値千金の2ランを放ち、優勝を決めた。無名選手がモンスター選手に変わった。

本日の新着記事を読む