異例の海外中継も!! 宝塚『るろうに剣心』大ヒットのワケの画像
異例の海外中継も!! 宝塚『るろうに剣心』大ヒットのワケの画像

 宝塚歌劇団・雪組が初の舞台化に挑戦し、大好評を博している『るろうに剣心』(東京宝塚劇場で5月8日まで公演)。原作ファンも納得できるキャラクターの再現度と、宝塚ならではの華やかな舞台が見事に融合し、歌劇史に新たな歴史が刻まれたと評価も高い作品だ。その『るろうに剣心』の千秋楽の舞台映像が、全国31都道府県、そして台湾と香港の映画館でライブ中継されることになった。これは、宝塚の長い歴史の中でも異例の「事件」だ。

 通常、宝塚の舞台がライブ中継されるのは、トップスターの退団公演のみ。2015年に花組の台湾公演の様子も映画館で上映されたが、これはライブ中継ではなかった。今回の『るろうに剣心』は、トップスターの退団公演並みの“記念作品”と言えるかもしれない。実際、チケットも即完売し、当日券を求めて早朝から長蛇の列ができている。

 この成功の要因は、原作キャラクターを忠実に再現したタカラジェンヌたちの努力の賜物だ。雪組はもともと日本ものの上演が多い組だが、その中で培われた殺陣の技術と作品の世界観とがばっちりマッチ。女性だけの劇団とは思えないほど、劇中では迫力ある戦闘シーンが展開されている。

 その上、宝塚版だけのオリジナルキャラクターも配置。宝塚の十八番である「ラブストーリー」がプラスされ、演目の完成度も非常に高いものとなった。アイドルグループを意識したような楽曲もあり、宝塚を初めて観劇した人も、「格式高い宝塚」とのいい意味でのギャップに心を捉えられたようだ。『るろうに剣心』の成功とともに、新たな観客層が増えたことは間違いない。雪組の次回公演もますます楽しみである。

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