今週はG1ヴィクトリアMが行われる。美女サラブレッドが集うG1だが、VMが迫ってくると、あの美女を思い出す……。30年ほど前のこと、歌手として俳優として、また画家として活躍を続けているジュディ・オングさんをインタビューさせていただいたことがある。待ち合わせ場所に選んだのは、ホテルのロビー。そこにアタシとカメラマンは20分ほど遅れて着いた。

 だが、そこには彼女の姿はなかった。ホッとした気持ちも手伝って、「なあんだ。まだ来てないよ。走って損したよな」などと、カメラマンと軽口を叩いていたら、目の前の観用植物の後ろから、「ウフ、ウフン」と小さな咳払いが聞こえてきた。なんとジュディ・オングさんはそこで待っていて、記者とカメラマンの失礼な会話を耳にしていたのである。

 アタシは機嫌を損ねたのではと、ドキッとしたが、アタシたちの前に現われた彼女の美しい顔は、そんな気配はみじんもなく、いつものにこやかな表情を浮かべていた。それどころか、少しおかしそうにしていた。

 そのとき、アタシは思った。この人は他人に寛容に接することができる人物であり、このうえなく素敵な女性だと。以来、彼女のファンになり、カラオケでは大ヒット曲「魅せられて」をよく歌う。

●ヴィクトリアM(G1 5月15日 東京競馬場 芝1600m)
 4歳以上の牝馬による“マイル女王”決定戦。アタシは430kg前後の小振りな馬体ながら、オークスと秋華賞の2冠を獲得したミッキークイーンを本命に推す。小振りなのに芯の強さを持ち、混戦のなかからシッカリした末脚で伸びてくる。そう、ジュディ・オングさんを思わせるような、いたずらに動揺しない素敵な馬なのである。調教の様子もいいようなので、勝負馬券は単勝1本。当日が楽しみだ。

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