1着同着。しかもゾロ目――。そういう、聞いたこともない決まり方をしたのが、平成22年のオークスだった。8枠のアパパネ、サンテミリオンが、文字どおりのデットヒートを演じ、サンテミリオンをアパパネが一旦かわしたところへサンテミリオンが差し返して、まさに同時のゴールだった。

 大きな拍手が送られた2頭並んでの表彰式は、忘れられない。こういう劇的なレースは、その後に大きな影響を与える。いわゆる「大暗号誕生」と呼ばれるものだ。アパパネとサンテミリオンが入っていた枠の「8」は、漢数字で描けば「八」で、これは片仮名の「ハ」に通じるが、その後のオークスで片仮名のハ(あるいはパ、バ)が、激走枠の目印になり続けているのである。

 順に書くと、平成23年は、バウンシーチューンの同枠にいたエリンコートが連対。
24年は、ハナズゴールの同枠にいたヴィルシーナが連対。
25年は、エバーブロッサムが連対。
26年はハープスターが連対。
そして27年は、ルージュバックが連対している。

 今年の注目馬は、〔3・1・0・0〕という安定した末脚を持つシンハライト。この馬は、父ディープインパクト、母シンハリーズと、ハの字づくしで、もし8番や8枠を引いたら、鉄板といっていい。

本日の新着記事を読む