由伸監督は2年限定!?巨人「松井秀喜監督」全計画の画像
由伸監督は2年限定!?巨人「松井秀喜監督」全計画の画像

 順調なチームの水面下では、早くもキナ臭い“次”の話。大本命の見えにくい真意に翻弄されながらも、球団が切る“最大のカード”とは?

 開幕前は「史上最弱」ともいわれていた、高橋由伸監督率いる新生巨人軍。しかし、蓋を開けてみれば開幕からの1か月半、上々のスタートと言える戦績を残してきた。「ここまでは、1年生監督としては十分に合格点でしょう。巨人の監督というのは大変な重圧ですが、主力に故障者が続出し、満足な補強もできていないチーム事情から、球団幹部には“今季は優勝を逃しても責任は問わない”と伝えられているといわれています。無用なプレッシャーから解放されたことが、結果的に好成績につながっているところはあるでしょうね」(スポーツ紙デスク)

 このまま好調を保てるようなら、由伸政権は契約期間の3年はおろか、それ以上の長期政権になってもおかしくはない。しかし、巨人軍の内情をよく知る専門誌記者は、驚くべきことを口にする。「由伸監督は、あくまでワンポイントリリーフ。巨人の本命は、もうずっと“松井秀喜”の一点張りなんですよ」

 突然飛び出した“世界のゴジラ”の名前。もちろんその実績を考えると申し分ない話だが、いったい、どういうことなのか?「松井氏が現役を引退して以来、巨人はずっと監督就任のラブコールを送ってきました。フロントは松井氏が帰国するたびに必ず席を設けて、“三顧の礼”どころではない、たび重なる説得工作を続けているんですよ」(前同)

 特に、巨人軍の最高首脳、すなわちナベツネこと渡邉恒雄・読売グループ本社代表取締役会長・主筆は、かねてより“松井監督”実現に執念を燃やしてきたという。「松井氏がメジャーに挑戦する前後に2人の仲は険悪になったんですが、松井氏のヤンキース時代の後半には氷解。今ではナベツネさんは“巨人を10年、20年率いるのは松井しかいない”とまで言っているそうです」(全国紙運動部記者)

 そして実は、高橋監督の就任が決まった昨オフの監督人事の大本命も、やはり松井氏だったのだという。「原前監督が退任を表明するのと前後して、巨人フロントの幹部2人が、わざわざ渡米してまで松井氏と接触。“ポスト原”として監督就任を打診したそうです」(スポーツ紙デスク) しかし、松井氏の答えはNO。その理由は「子どもの教育のため」だったという。「それでも粘る球団側に、松井氏は“次は由伸にやらせればいいじゃないですか”とも発言したとか。高卒で巨人入りした松井氏は、大卒の由伸監督より年齢は1つ上で、入団で言うと5年先輩。球団幹部が“それでは順序が逆になるのではないか”と食い下がっても、松井氏は“かまいませんよ”という調子だったそうです」(前同)

 その言葉だけが理由というわけでもないだろうが、松井氏に袖にされた巨人は、「次は由伸で」との方針に一本化。由伸氏が電撃引退し、監督を務めることになったのだ。「しかし、球団側は今でも“松井監督”実現の夢をまったく捨てていないんです。その後もコミュニケーションを取り、2年ぶりに春季キャンプに松井氏を臨時コーチとして迎えることに成功。“次”に向けての布石を一応は打てた形ですね。一説には、球団は“松井が首を縦に振った時点で、そのシーズン後に、由伸監督にはいったん退いてもらい、松井監督を据える”という路線を固めているといわれていますよ」(前出の専門誌記者)

 とはいえ、今年の高橋監督には、前出の通り「優勝できなくても責任は問わない」と、事実上の続投手形を与えている。「そのため、巨人は狙いを来シーズンのオフに定めたようです。来年はWBCの開催が予定されており、それがペナントにどう影響するかによっては、監督交代の大義名分も立ちますからね」(前同)

 3年契約を結んでいるはずの高橋監督を2年で代えさせることを考えてまで、巨人は松井氏の説得にご執心ということになる。だが、ここで問題となるのは、松井氏の意思。現在はともかく、松井氏に将来的にでも巨人軍監督就任の意思があるのかどうかという肝心なところが、いまひとつハッキリしないのだ。「なにせ、彼は本当に信頼する関係者にも、その胸中を語らない男だからね。ただ、ヤンキースのGM補佐を引き受けたりもしているし、さらに、実は少し前にニューヨーク郊外に新居を購入している。この様子だと、しばらく日本に帰ってくる気はないのかもしれないよ。巨人よりも、ヤンキースのコーチを狙ってるんじゃないかという話もあるね」(読売新聞幹部)

 野球評論家の黒江透修氏も、その線を指摘する。「たとえばこの先、盟友のジーターあたりがヤンキースの監督になって“ヒデキ、手伝ってくれよ”と言われたりしたら引き受けるはずです。今回のような絶好のタイミングでものらりくらりと巨人のオファーをかわしているのには、そういう考えもあったんでしょう」

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