今年の3歳牝馬は3頭の力が傑出している。メジャーエンブレムは阪神JF、NHKマイルCを制し、ジュエラーは桜花賞馬に輝いた。その2頭が回避するオークスは残る1頭、◎シンハライトの番。負けられない戦いだ。「バネがあって、走るフォームも柔らかい」とデビュー戦から池添がベタボメしていたのが、シンハライトである。ディープ産駒の正統派の走りは、デビューから3連勝で素質の高さを証明してみせた。

 桜花賞はなんとも惜しい競馬。「ゲートを出して行った」と池添が話すように、メジャーエンブレムの存在を意識しての戦い方。ラスト1Fでライバルをとらえたが、ゴール寸前でジュエラーの急襲に遭い、頭の上げ下げのタイミングでハナ差負け。しかし、レースの取り口は完全に主役だった。雪辱すべき相手は骨折で戦列を離れたが、それなら“1強”の戦いを完遂させるのみ。短期放牧でダメージが抜け、帰厩後の調教気配もすこぶる順調。折り合いがつくから、距離延長も不問だ。追ってしっかり反応する姿は、同じディープ産駒で昨年の勝ち馬ミッキークイーンにも酷似する。

 2着争いの本線はデンコウアンジュ。アルテミスSでメジャーエンブレムを負かしたが、その後の3戦が期待外れ。一気に評価を落としているが、レース中の不利が重なり、本来の走りができていないのも確かだ。桜花賞の直線は内で包まれ、割って入るコースがなかった。馬場が広く、左回りの東京なら大きく変われる要素がある。中間調整も左回りの日曜日を主体にしたオークス仕様の仕上げだ。伸び伸びした動きに一変する可能性を感じさせる。

 ▲はエンジェルフェイス。フラワーC勝ちのあと、ここ1本に目標を絞っての参戦だ。2週前時点で、すでに4本の時計を出し、藤原英厩舎らしい勝負仕上げ。鞍上もルメールを確保し、好勝負必至。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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