3割20本確実!?大谷翔平の二刀流「今年は打撃」で球界席巻!の画像
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 数々の常識を覆してきたあの若武者が今年も魅せる! バットを振るたびに生み出される新たな伝説を見逃すな!

 バット一閃。高く舞い上がった白球は、優雅なアーチを描く。5月17日のソフトバンク対日本ハム戦。今期初の3番に座ったDH・大谷翔平(21)が今季8号となる2ランホームラン。5戦連発ホームランという快挙を達成した瞬間だ。

 投手と打者の二刀流での活躍ぶりは一目瞭然だが、今季の大谷の打棒は、まさに圧巻のひと言だ。5月19日現在(以下、今季成績はすべて同)、打率3割4分8厘、打点18、8本塁打。本塁打数ではパリーグ3位となっている。「このペースで打ち続けると、大谷の今季本塁打数は27本。とんでもないことになりますよ」(スポーツ紙記者)

 長打率も7割6分8厘と高く、加えて、通常8割を超えると強打者とされる数値で、出塁率と長打率を合計したOPSはなんと1.200。大谷は超ド級のバッターなのだ。大谷の才能は、5戦連発となった本塁打の打球方向を見ても分かる。あらゆる方向に打ち分けているのだ。「大谷は左打者ですが、レフト方向に長打が多い特長があります。バットのヘッドがなかなか出てこないインサイドアウトの軌道で、ボールの下にバットを潜り込ませるような打ち方は、彼独自のものですね」(スポーツジャーナリスト)

 花巻東高時代から“怪物”として注目された大谷。2012年のセンバツでは、現在、阪神のエースとして活躍する大阪桐蔭高の藤浪晋太郎からも一発を放った。「右中間へのあの打球を見て、モノが違うと感じたね。打者としての素質はずば抜けていましたよ」(プロ野球ベテラン記者) 王貞治ソフトバンク球団会長も打者・大谷にほれ込み、プロ入り時には、「将来、日本人バッターで僕のホームラン記録を抜くのは彼だろう」とまで言っている。

 野球解説者の須藤豊氏もこう語る。「大谷のいいところは、両肩、肘、手首などがものすごく柔らかいこと。僕は、高校時代はバッターでいくべきだと思ってました。みんな、そう思っていたけど、プロに入ったら、ものすごく速い球を投げる。両方、たまらない素材を持っているんだね」 その才能ゆえ、例のない二刀流の道を歩み始めた大谷だが、改めて今季の出場試合を見ると驚かざるをえない。先発投手としてローテーションを守りながら週に2試合、多いときは3試合、打者として出場。登板前の2日は調整のためベンチ入りしないものの、前代未聞のスケジュールなのだ。

 それゆえ「やっぱり無理。今季、投手としてイマイチなのも休養が取れていないせい。早く、どちらかに絞るべき」と、二刀流を否定する声も聞こえてくる。しかし、野球解説者の里崎智也氏はこう言う。「大谷は投手も野手もできるから、やっている。できるのに、やらない理由はありません。現状と投手一本に絞った場合を比べても、それほど勝ち星の上積みはないと思います。打線の援護の関係もあり、優秀な投手でも14~15勝以上は難しい。打てるなら、打ったほうがいいと思います」

 さらに続けて、「“二刀流は無理”というのは過去の考えで、今後は当たり前になるかもしれない。本人もチームも前向きなのですから、周りがとやかく言うべきではないと思いますよ」と、強く二刀流を後押し。確かに勝率1位、最優秀防御率、最多勝の投手三冠を獲得した昨季と比べると、現在の1勝4敗は物足りないが、2年連続して2ケタ勝利を挙げた実力は本物。「勝ち星は打線との兼ね合い。中盤まで試合を作っているし、防御率は3点台で十分合格点。援護があれば、現時点でも4勝はしているでしょう」(里崎氏)

 短くても6イニングは投げ、ゲームを作るという意味では、エースとしての仕事は果たしているのだ。「それに加えて、打撃でのあの働きで年俸2億円は安すぎる。球団は大谷に倍払わなきゃダメですよ」(前出のベテラン記者) 日曜日にはエースとして投げ、火曜日と水曜日は打者として出場……。球団として、これほどありがたいスター選手はいないだろう。

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