今季開幕前のインタビューで大谷は、レンジャーズのダルビッシュ有からのアドバイスもあり、「無理して食べてます。1日6~7回ぐらい食べてます」と、体重増を図ったことを明らかにしている。一時は100キロを超えたというが、その理由を大谷は、「もうひとつ高いパフォーマンスを探したかったですし、その意味でも底上げを。一番基本になってくる部分なので。パワーはもちろん、技術も体重が増えないと、できない技術があると思います」と語っている。

 その努力が実を結び、今季の打撃開眼となったというわけだ。「筋肉量がかなり増えているはずです。それで飛距離が伸びたのではないでしょうか。大谷はレフト方向にも大きいのが打てるし、アベレージも残せる。ポイントを手前に引き込んで打てるスキルの賜物でしょう」(里崎氏)

 前出の須藤氏は、今年の2月、日本ハムのアリゾナキャンプで大谷と直接言葉を交わしたときのことを、こう振り返る。「驚いたのは、“こんなに器用なのか!”ということ。あれだけ上背がある投手は、メジャーでは牽制もセットポジションも下手くそなのが当たり前なのに、彼は実に器用。あれを見るだけで“天は二物を与えたな”と思いました」

 続けて、「僕が彼と話して気になったのは“ブルペンでピッチングするのは、あまり好きじゃないです”と言っていたこと。バッターを相手に投げたほうが楽しいに決まってるけど、そういう気持ちを素直に表現していた。“バッティングは文句なく好きです”と言っていましたね」

“小学生のように素直”と評されることもある、そのバッティングの原点は、純粋に楽しむことにあるのかもしれない。イチローと食事した際に「バッターとしてMLBに挑戦して」と声をかけられたという大谷。その彼が2016年のテーマとして掲げたのは「超」の一文字だった。過去の自分を超え、球界の常識を超えた“超人選手”として、今季の大谷翔平はバットで球界を圧倒する!

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