夏場所で大健闘! 新十両「宇良」“四次元相撲”で大暴れの画像
夏場所で大健闘! 新十両「宇良」“四次元相撲”で大暴れの画像

「江戸からの相撲史上、原則として幕内に昇進した力士のみが販売することが許されてきた錦絵ですが、おそらく新十両が描かれるのは彼が初めてです」 夕刊紙相撲担当記者が興奮気味に話すのは、大相撲の夏場所で新十両に昇進した宇良(うら)(23=木瀬部屋)だ。

 関取デビューとなった夏場所では10勝5敗と勝ち越し。注目を集めたこの力士は、どのようなキャリアを積んできたのか――。「相撲を始めたきっかけは4歳のときに参加したわんぱく相撲。小学3年生から相撲だけでなく、レスリングも始め、中学時代まで続けていました。京都府立鳥羽高校に入学すると相撲部に入部。身長152センチ、体重52キロと小柄で、他の部員と体格差があって、まるで稽古にならなかったとか」(相撲雑誌ライター)

 決して相撲を取るのに恵まれた体格ではなかったが、関西学院大1年時に全国学生個人体重別選手権65キロ未満級で優勝するなど結果を残すようになったという。「大学4年生時には同選手権無差別級で3位に。毎日5合半の白飯や卵を食べて、筋トレに取り組み、肉体改造に成功し、木瀬部屋への入門会見時には身長172センチ、体重107キロの体格になりました」(前同)

 身体づくりだけでなく、マット運動で身体能力を高めた。レスリング経験を生かした低い姿勢からの予測できない動きで、相手の裏をかくスタイルを目指した。「技のデパート・舞の海を彷彿させる、相手の懐に潜り込み、膝を抱え上げて体を一気にそらす“居反(いぞ)り”、低い姿勢から相手の片足をつかみにいく“足取り”といった“四次元相撲”で、体格差のある相手を倒してきました。」(同) 2015年2月に関西学院大初の角界入りとなり、同夏場所で序の口優勝、初土俵から7場所で幕下付け出しを除くと史上4位となるスピードで、夏場所に新十両昇進を果たす。「春場所でお互い5勝1敗で対戦した、同期で元学生横綱の大輝との一戦は印象的でした。低い姿勢から左足を取りにいき、すくい投げで勝ち、6勝1敗として十両昇進の決め手になったんです」(前出のスポーツ紙相撲担当記者)

 プロの世界に入ってから、学生時代に得意とした“居反り”は見せておらず、夏場所でも仕掛けはしたが不発。「低い姿勢からのスピードと柔軟性を生かした“四次元相撲”の活躍に期待」(前同) 異色十両が今後どのような活躍を見せるのか注目したい。

本日の新着記事を読む