この症状に要注意!「蚊が運んでくる」コワ~イ病気の画像
この症状に要注意!「蚊が運んでくる」コワ~イ病気の画像

 これからの季節、悩まされるのが「蚊」ですが、蚊は刺されたらかゆいだけじゃなく、コワ~イ病気も運んできます。「ジカ熱」「デング熱」「日本脳炎」……名前は聞いたことがあるけれど、「それってどんな病気なの!?」と思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、蚊が媒介する感染症について説明します。

●日本脳炎
 日本脳炎ウイルスが原因の病気で、このウイルスに感染した豚や馬、鳥などの血を吸った「コガタアカイエカ」に刺されることで感染します。潜伏期間は6~16日、発熱や頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、意識混濁などの意識障害が起こります。
 怖いのは後遺症で、乳幼児や高齢者は麻痺が残ることもあります。致死率は20~40%と高めですが、感染しても発症するのは100~1000人に1人程度とされ、大多数は無症状で終わります。しかし、感染が疑われる際はなるべく早めに病院へ行きましょう。現在はおおむね3歳児、9歳児の時に予防接種が行われています。受けていない人は病院に相談してみてください。

●マラリア
 熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵型マラリアと、発症の原因となるマラリア原虫の種類によって分類され、治療が遅れると死に至ることもある怖い感染症です。
 潜伏期間が7~40日と長いのが特徴なので、東南アジア、アフリカ、中南米で蚊に刺された人は、1カ月以上経つまで安心できません。感染源となるのは「ハマダラカ」で、発熱、悪寒、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛など重症の風邪に似た症状が起こります。

●デング熱
 昨年、日本でも69年ぶりに国内感染が確認されたデング熱は、主に東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国などで発生する病気です。非致死性の熱だけが出るタイプと、出血して死に至ることもある重症型があります。
 媒介するのは「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」などで、潜伏期間は2~15日。多くの場合3~7日で発症します。症状は38~40度の高熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛などです。ヒトからヒトへの直接感染はありません。

●ジカウイルス感染症(ジカ熱)
 日本国内での感染例はまだ認められていませんが、ギラン・バレー症候群や、胎内感染による小頭症との関連が疑われています。感染源となるのは「ネッタイシマカ」「ヒトスジシマカ」などで、中南米、カリブ海諸国、オセアニア、アフリカの一部、タイで発生が確認されています。
 なにより怖いのは「性交渉」により感染した例があるということ。不特定多数との性交渉は、それなりのリスクがあることを忘れずに。潜伏期間は2~12日で、軽い発熱、頭痛、結膜炎、疲労感、倦怠感などをもたらします。

●ウエストナイル熱
 こちらも日本国内での感染例は認められていませんが、ヨーロッパやアメリカでの感染が確認されていて、全世界規模に拡大しているので要注意です。媒介するのは「アカイエカ」「チカイエカ」「ヒトスジシマカ」で、ウイルスを持つ鳥(スズメ、カラスなど)から血を吸った蚊が、人間を刺すことで感染するとされています。
 潜伏期間が2~6日と短く、39度以上の発熱、頭痛、筋力低下、食欲不振などが主な症状ですが、まれに麻痺や痙攣をおこして死亡することもあります。

●チクングニア熱
「なにそれ初耳!」という人も多いでしょう。日本国内での感染・流行はまだありませんが、日本に持ち込まれる可能性が高い感染症として、国が注意するよう呼びかけています。「ネッタイシマカ」「ヒトスジシマカ」などが媒介し、人から人へと感染する病気です。
 アフリカ、南アジア、東南アジアで発生しているので、こうした地域に出かける際は注意しましょう。潜伏期間は3~12日。症状は急性の発熱、関節痛、発しんなど他の疾患に比べて軽そうですが、数週間~数年という長い期間にわたり、リウマチに似た関節痛や圧痛が続くことがあります。

 マラリアと日本脳炎以外は、蚊に刺されないようにする以外に有効な対策がないのが現状です。外国人観光客も増えている現在、日本国内で確認されたことのない感染症が今後いきなり流行ることも考えられます。これからの季節は紫外線対策だけでなく、蚊よけ対策もしっかり行うようにしてください。

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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